「孫正義氏が言うASIとは何?」「2040年に世界はどう変わるの?」「自分の仕事や会社、暮らしに関係はあるの?」。ソフトバンクグループの孫正義氏の講演をきっかけに、こうした疑問を持って調べている方も多いのではないでしょうか。
先に結論をお伝えします。
ASI(人工超知能)とは、ほぼすべての分野で人間をはるかに超える知能を持つAIのことです。孫正義氏は2026年7月の講演で、2040年にはAIが世界のGDPの約20%(約7,000兆円)を担い、100兆個のAIエージェントと10億台のヒューマノイドが働く「ASI Economy」が来ると予測しました。ただし、これはあくまで予測で、ほかの専門家の見方には幅があります。
影響が大きいのは、事務や、画面の中で完結する頭脳労働です。反対に、体を使ってその場で判断する仕事は、今のところ影響が小さいとされています。人手不足が深刻な日本、とくに地方の中小企業にとっては、ASIに向かうAIの進歩は、仕事を奪うものである前に、足りない人手を補う手段としての面が大きいと考えられます。
この記事は、2026年9月時点で公表されている講演レポート、公的機関の統計、国際機関や研究機関の報告書をもとに、WebLebenがまとめたものです。講演の数字とほかの資料を並べ、単位をそろえた計算も加えて、どこまでが予測で、どこからが事実かを分けて説明します。
この記事で分かること
- ASIとAI・AGIの違い
- 孫正義氏の講演「2040年 ASI Economy」の要点と数字
- 孫正義氏のASI発言の移り変わりと、ソフトバンクグループの動き
- ほかの専門家・機関の予測との比較と、講演の数字を読むときの注意点
- ASIの時代に影響が大きい業種・小さい業種
- 中小企業にとっての意味と、今からできる準備のチェックリスト
- 働き方・医療・移動・介護・学び・安全など、暮らしの変化
ASI(人工超知能)とは?AI・AGIとの違いを先に整理
孫正義氏の話を読む前に、「ASI」という言葉の意味をそろえておきましょう。ここがあいまいなままだと、「もうASIは来ているのか」「AGIとどう違うのか」で迷ってしまいます。
ASIの意味:人間の知能をはるかに超えるAI
ASIは「Artificial Superintelligence」の略で、日本語では「人工超知能」と呼ばれます。ほぼすべての分野で、最も優れた人間の頭脳よりもはるかに賢い知能のことです。
この考え方を早くから論じたのが、哲学者のニック・ボストロム氏です。ボストロム氏は「超知能」を、科学的な創造性、一般的な知恵、人と関わる力を含むほぼすべての分野で、最も優れた人間の頭脳よりはるかに賢い知性と定義しました(ボストロム氏の論文「How long before superintelligence?」による)。
日本でも、電気学会の用語解説が、ASIを「AGIがさらに発展し、人間の知的能力をはるかに超える人工知能」と説明しています(電気学会誌の用語解説(2026年3月号)による)。
特化型AI・AGI・ASIの違い
AIは、できることの広さと深さによって、大きく3つに分けて説明されることが多くあります。
| 種類 | 意味 | 今の状況(2026年9月時点) | 例 |
|---|---|---|---|
| 特化型AI(ANI) | 決まった仕事だけをこなすAI | 広く使われている | 画像の検査、翻訳、おすすめの表示 |
| AGI(汎用人工知能) | 人間と同じくらい幅広い知的な仕事をこなすAI | 「まもなく」「数年先」「まだ遠い」と見方が分かれる | まだ合意された実例はない |
| ASI(人工超知能) | ほぼすべての分野で人間をはるかに超えるAI | 実現していない | 実例はない |
Google DeepMindの研究者らは、AIを「どれだけ上手か(深さ)」と「どれだけ幅広いか(広さ)」の2つの軸で段階に分ける論文を出しています。この論文では、最上位のレベル5を「人間の100%を上回る」と定め、幅広い仕事でこのレベルに達したものをASIと呼んでいます。そして、この汎用のレベル5は「まだ達成されていない」と表に記しています(Google DeepMindの研究者らの論文「Levels of AGI」(2025年9月の第5版)による)。
つまり、2026年9月の時点で、ASIはまだ実現していない「これから」の話です。孫正義氏の講演も、ASIがすでにあるという話ではなく、2040年に向けた予測として聞くのが正しい受け取り方です。
ASIとシンギュラリティの違い
よく似た言葉に「シンギュラリティ(技術的特異点)」があります。これは、AIの進歩によって社会が予測できないほど大きく変わる転換点を指す言葉です。
未来学者のレイ・カーツワイル氏は、2045年までに人間とAIが融合して知能が大きく広がると述べ、それをシンギュラリティと呼んでいます(MITニュースの講演記事(2025年10月)による)。ASIは「知能の種類」、シンギュラリティは「社会の転換点」を指すと考えると区別しやすいでしょう。
シンギュラリティの意味やAGIとの違い、到来の時期についての見方は、シンギュラリティとはで整理しています。
孫正義氏が語る「2040年のASI Economy」とは?講演の要点を7つに整理
2026年7月14日、ソフトバンクの法人向けイベント「SoftBank World 2026」で、ソフトバンクグループの孫正義氏が特別講演を行いました。
テーマは、ASIが社会に組み込まれた2040年の経済、「ASI Economy」です。講演の動画は、ソフトバンク公式のビジネスチャンネルで公開されています(約66分、2026年9月1日公開)。
孫正義氏は講演の冒頭で、経営でいちばん大切なのは「ビジョン」と「戦略」であり、「たくさん」「すごく」といったあいまいな言葉ではなく、「期限」と「数字」で未来を示したいと話しました(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。
ここでは、その数字を中心に要点を7つに分けて紹介します。なお、ここに出てくる数字は、いずれも孫正義氏が示した予測です。すでに起きた事実ではありません。
要点1:2040年、世界のGDPの約20%(約7,000兆円)がAIに置き換わる
孫正義氏は、今後15年で世界全体のGDP(国内総生産)の約20%がAIの世界に置き換わると予測しました。金額にすると、年間約7,000兆円です。残りの約80%は、これまでの生活や産業とあまり変わらないとも述べています(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。

さらに、利益率が50%近くになれば、AIによって毎年約3,500兆円の利益が生まれ、その利益を担う企業が複数生まれると見ています。比べる相手として挙げたのがインターネットです。インターネットが置き換えたのは、世界のGDPの約1%にあたる「広告」の領域だけでしたが、それでも巨大な企業が生まれました。AIが20%を置き換えるなら、規模は桁違いになるというのが孫正義氏の見立てです。
要点2:100兆個のAIエージェントが、24時間休まず動く
AIエージェントとは、人の指示を受けて、自分で手順を考えながら作業を進めるAIのことです。孫正義氏は、2040年にはAIエージェントが100兆個の規模になり、24時間休まずに動くと予測しました。

孫正義氏によると、私たちの仕事の多くは、10〜100個程度のタスクのくり返しです。これからはAIエージェント同士がやりとりしながら仕事を進め、情報のやりとりの中心が「人間同士」から「AIエージェント同士」へ移っていくと述べています。
要点3:10億台のヒューマノイドが「労働の主役」になる
ヒューマノイドとは、人の形をしたロボットのことです。孫正義氏は、AIエージェントがロボットに宿って物理の世界でも働くようになり、地球上に10億台のヒューマノイドが生まれると予測しました。
24時間働けるため人間の約30億人分に当たり、さらに1台で10人分近い仕事をこなすので、合わせて「100億人分」の仕事をするという計算です(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。
要点4:3TWの電力と、年5兆ドル(約800兆円)の投資が必要
これだけのAIを動かすには、巨大な計算の設備と電力が要ります。孫正義氏は、2040年のAIデータセンターの消費電力を3TW(テラワット)と見積もりました。報道では、これは現在の世界の発電量の1.8倍にあたると紹介されています。電源について孫正義氏は、現実的にはガス発電だとしつつ、将来は核融合発電が来ると述べています(AI Watchの報道による)。
計算の能力は、今の最先端の半導体(NVIDIAのGB300、1基あたり約20ペタフロップス)の世界から、2040年には「クエタ(10の30乗)」フロップス級に達するとしています。そのための投資は年間5兆ドル、日本円で約800兆円です。孫正義氏は、AIが世界のGDPの20%を占めて7,000兆円のGDPと3,500兆円の利益が生まれるのであれば、毎年800兆円の投資は十分に賄えると説明しました(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。
要点5:人間は「Super Human」へ。AIで「頭脳の延長」が始まる
講演の後半で孫正義氏が強調したのが、人間の役割です。車や飛行機が手足の延長だったのに対し、ASIによって初めて「頭脳の延長」ができるようになると述べました。
自分の経験や考え方を学んだAIエージェントを分身として持ち、自分が休んでいる間も分身が働く。人間は、いちばんやりたいことや、心が動くことに時間を使えばよい、というのが孫正義氏の描く姿です。

また、AIは個人のデータを分析して健康寿命を予測し、一人ひとりに合わせた医療や遺伝子治療薬によって、健康寿命をさらに10年延ばすようになるとも述べました。
講演のスライドでは、今後100年の「10大進化」として、ASIエージェント、ロボット労働力、自動運転・物流、ASI科学者、遺伝子医療、長寿・再生医療、超低コスト電力、量子・新材料、地球環境の再設計、宇宙インフラが挙げられています。
要点6:AIによるサイバー攻撃への備え
孫正義氏は、AIが攻撃の道具や手法を作り、次々に攻撃を仕掛ける時代になったと警告しました。ソフトバンクが自社の何十億行というシステムにAIによる攻撃テストを行ったところ、1万500件の脆弱性(攻撃のすき)が見つかったといいます。
さらに、2026年6月に発表したPaaS(Patching as a Service)で63社のシステムを診断したところ、脆弱性がゼロの会社は1社もなかったと述べています(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。
要点7:経営の新しい物差し「ROA(Return on AI)」
講演の最後に孫正義氏は、経営者に向けて「ROA(Return on AI)」という新しい物差しを提案しました。AIに投資した結果、生産性がどれだけ上がり、どれだけの価値を生んだかを測るもので、短期ではなく3年ほどの期間で考えるよう勧めています。

そして「AIに仕事を奪われるのではない。AIを使う企業に、AIを使わない企業が仕事を奪われるのだ」と述べ、15年後の自分の業界の姿から逆算して、今から準備するよう呼びかけました(ソフトバンクニュースの講演レポートによる)。
講演で示された2040年の数字の一覧
| 項目 | 2040年の予測 | 補足 |
|---|---|---|
| AIの経済規模 | 世界のGDPの約20%、年約7,000兆円 | 利益率50%近くなら年約3,500兆円の利益 |
| AIエージェント | 100兆個 | 24時間休まず動く |
| ヒューマノイド | 10億台 | 人間の約100億人分の仕事に相当と試算 |
| AIデータセンターの電力 | 3TW | 報道では「現在の世界の発電量の1.8倍」 |
| 計算の能力 | クエタ(10の30乗)フロップス級 | 今の最先端は1基約20ペタフロップス |
| 必要な投資 | 年5兆ドル(約800兆円) | 7,000兆円の市場に対して賄えると説明 |
| 健康寿命 | さらに10年延びる | 個別化医療・遺伝子治療薬による |
孫正義氏のASI発言はどう変わってきた?2023年からの予測とソフトバンクの動き
「2040年のASI Economy」は、突然出てきた話ではありません。孫正義氏は2023年ごろから、株主総会やSoftBank Worldのたびに、AGIとASIの時期と大きさを語ってきました。ここでは、発言の移り変わりと、それを裏づけるソフトバンクグループの実際の動きを整理します。
孫正義氏のASI・AGIの予測の移り変わり(2023〜2026年)
孫正義氏の言う「1万倍」は、場によって比べる相手が少し違います。「人類の叡智の総和の1万倍」と言う場合と、「AGIの1万倍」と言う場合があります。数字を引くときは、いつ・どの場での発言かを合わせて確かめるのがおすすめです。
| 時期と場 | AGI・ASIについての発言 | 出典 |
|---|---|---|
| 2023年6月 株主総会 | AIが全人類の英知の総和の1万倍ぐらいになると予想。時期は「数十年後」 | ソフトバンクニュース(2023年6月) |
| 2023年10月 SoftBank World 2023 | AGI=人類叡智総和の10倍、ASI=1万倍。AGIは10年以内、ASIはその10年後 | ソフトバンク ビジネスブログ(2023年10月) |
| 2024年6月 株主総会 | AGIは人類の叡智の10倍、ASIは1万倍。ASIが実現すれば、がんや災害などから人類を救えるかもしれない | ソフトバンクニュース(2024年6月) |
| 2024年10月 SoftBank World 2024 | AGIは「2、3年後」、ASI(AGIを1万倍ぐらい超えた知能)は10年以内 | ソフトバンク ビジネスブログ(2024年10月) |
| 2025年6月 株主総会 | 10年後に「ASIのNo.1プラットフォーマー」を目指す | ソフトバンクニュース(2025年7月) |
| 2025年7月 SoftBank World 2025 | 5年後にAGI、10年後にASI | ソフトバンクグループ公式サイト(2025年8月) |
| 2026年7月 SoftBank World 2026 | 2040年に「ASI Economy」。AIが世界のGDPの約20% | ソフトバンク ビジネスブログの講演レポート |
表を見ると、時期の見通しは一方向に早まってきたわけではありません。2024年10月には「AGIは2、3年後」と言い、2025年7月には「5年後にAGI」と言っています。一方で、「10年ほどでASI」という大きな見通しは、2023年秋から2026年まで続いています。
孫正義氏の言う「ASI」と、一般的な定義の違い
ソフトバンク自身の解説記事では、ASIを「AGIがさらに進化したもので、人間の知能をはるかに超えた人工知能」と定義しています(ソフトバンク ビジネスブログ「AGI(汎用人工知能)とASI(人工超知能)とは?」による)。
孫正義氏の講演での「1万倍」は、この「はるかに超える」を数字で言い表した、孫正義氏独自の目安と考えると分かりやすいでしょう。1万倍をどう測るかの方法は、公表された資料では示されていません。
ソフトバンクグループはASIに向けて何をしているか
孫正義氏の予測が注目されるのは、発言だけでなく、巨額の投資が伴っているからです。プレスリリースで確認できる主な動きは次のとおりです。
| 時期 | 動き | 内容 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2025年1月 | Stargate Project | 米国でAIの基盤を作る新会社。今後4年間で5,000億ドルを投資する計画で、うち1,000億ドルは直ちに投資開始。出資はソフトバンクグループ・OpenAI・Oracle・MGX | ソフトバンクグループのプレスリリース(2025年1月22日) |
| 2025年2月 | クリスタル・インテリジェンス | OpenAIと、企業向けの最先端AIの開発・販売で提携。グループでOpenAIの仕組みを使うために年間30億ドルを支払う | ソフトバンクグループのプレスリリース(2025年2月3日) |
| 2025年3月〜 | OpenAIへの出資 | 最大400億ドルの追加出資で合意。2025年12月に出資が完了し、持分は約11%。2026年2月には300億ドルの追加出資の契約を結んだ | ソフトバンクグループのプレスリリース(2025年4月1日)、同(2025年12月31日)、同(2026年2月27日) |
| 2025年10月 | ロボット事業の買収 | ABBのロボティクス事業を総額53.75億ドルで買収する契約。孫正義氏は「次のフロンティアはフィジカルAI」と説明 | ソフトバンクグループのプレスリリース(2025年10月8日) |
| 2025年11月 | SB OAI Japan | クリスタル・インテリジェンスを日本国内で展開する合弁会社が発足 | ソフトバンクグループのプレスリリース(2025年11月5日) |
| 2026年5月 | フランスのAIデータセンター構想 | 5GW規模、最大750億ユーロの構想を発表 | ソフトバンクグループのプレスリリース(2026年5月31日) |
| 2026年6月 | PaaS(Patching as a Service) | OpenAIの技術を使ったサイバーセキュリティー対策の提供を発表 | ソフトバンクグループのプレスリリース(2026年6月16日) |
ソフトバンクグループは、ASIの実現に欠かせない分野として、AIチップ、AIロボット、AIデータセンター、電力の4つを挙げています(ABBのロボティクス事業の買収を発表したプレスリリースによる)。講演で語られた「100兆個のAIエージェント」「10億台のヒューマノイド」「3TWの電力」は、この4つの分野と対応しています。予測を語るだけでなく、その実現に必要な部品に自ら投資している点が、孫正義氏のASI論の特徴です。
孫正義氏の予測はどこまで確か?ほかの専門家・機関の見方と比べる
孫正義氏の予測は、数字がはっきりしている分、インパクトがあります。一方で、未来の予測である以上、外れる可能性もあります。ここでは、ほかのAI企業のトップや研究者、公的機関の見方と並べて、孫正義氏の予測をどう受け止めればよいかを考えます。
AGI・ASIの時期についての主な見方
| 誰の見方か | 時期の見通し | 出典 |
|---|---|---|
| OpenAI サム・アルトマン氏 | 数千日のうちに超知能が生まれる可能性がある(もっと長くかかるかもしれないとも) | アルトマン氏の文章「The Intelligence Age」(2024年9月) |
| Anthropic | 強力なAIは2026年末か2027年初めに現れると見込む | Anthropicの米国政府への提言(2025年3月) |
| Google DeepMind | 時期は非常に不確かだが、強力なAIが2030年までに開発されることは十分ありうる | Google DeepMindの安全方針の論文(2025年4月) |
| レイ・カーツワイル氏 | 2029年に人間並み、2045年にシンギュラリティ | ペンギン・ランダムハウスの書籍紹介、MITニュースの講演記事 |
| AI研究者2,778人の調査 | 機械があらゆるタスクで人間を上回る確率は2047年までに50%。すべての職業の完全な自動化が50%に達するのは2116年 | AI Impactsらの調査論文(2024年1月公開) |
| 孫正義氏 | 10年ほどでASI。2040年にASI Economy | ソフトバンク ビジネスブログの講演レポート |
AI企業のトップの多くが「数年以内」と見ているのに対し、研究者の調査はもっと長い時間軸を示しています。注目したいのは、同じ調査の中でも「タスク単位で人間を上回る」時期(2047年に50%)と、「職業全体が自動化される」時期(2116年に50%)に、大きな差がある点です。AIが個々の作業で人間を上回っても、仕事そのものが丸ごとなくなるまでには長い時間がかかる、と研究者は見ています。
2040年までの年表:孫正義氏の予測と、国の目標・ほかの予測を並べる
孫正義氏の予測を、国の目標や国際機関の見通しと同じ年表に並べると、どこまでが「すでに決まっていること・計画に入っていること」で、どこからが「予測」なのかが見えてきます。この記事で紹介する資料をもとに、WebLebenが作った年表です。
| 時期 | 出来事・目標・予測 | 種類 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2025年9月 | 日本のAI法が全面施行 | 決まったこと | 内閣府の広報 |
| 2026年7月 | 孫正義氏の講演「ASI Economy」。同じ日に国の人工知能基本計画を改めて閣議決定 | 決まったこと | ソフトバンク ビジネスブログ、内閣府 |
| 2026年8月 | EUのAI法が本格的に適用開始 | 決まったこと | 欧州委員会 |
| 2026年末〜2027年初め | 強力なAIが現れると見込む | AI企業の予測 | Anthropic |
| 2027年度 | 無人の自動運転の移動サービスを100か所以上で実現 | 政府の目標 | 国土交通省の資料 |
| 2027年12月 | EUのAI法の高リスク分野の規則を適用 | 決まったこと | 欧州委員会 |
| 2030年 | データセンターの電力消費が950TWh(世界の約3%)に | 国際機関の予測 | IEA |
| 2030年度 | 自動運転のサービスの車両を1万台に | 政府の指標 | 国土交通省の資料 |
| 2035年度 | データセンターの分として、日本の最大電力が661万kW増える | 公的機関の想定 | 電力広域的運営推進機関の需要想定 |
| 2040年 | AIが世界のGDPの約20%。AIエージェント100兆個、ヒューマノイド10億台 | 孫正義氏の予測 | ソフトバンク ビジネスブログ |
| 2040年 | 日本で1,100万人余りの働き手が不足 | 研究機関の試算 | リクルートワークス研究所「未来予測2040」 |
| 2045年 | シンギュラリティ | 未来学者の予測 | カーツワイル氏 |
| 2047年 | 機械があらゆる作業で人間を上回る確率が50% | 研究者の調査 | AI Impactsら |
| 2050年 | 人型ロボットの使用台数が10億台を超えうる | 金融機関の予測 | モルガン・スタンレー |
年表にすると、2030年ごろまでは国の目標や法律など「決まっていること」が多いと分かります。2040年の孫正義氏の数字のうち、ヒューマノイドの台数は、金融機関の予測より10年ほど早い見通しです。一方で、日本の人手不足は、2040年に向けてさらに深刻になると見込まれています。AIがどこまで賢くなるかは不確かでも、人手を補う必要が高まることは、複数の資料が示しています。
慎重な見方もある
AIの専門家の中には、今の方法の延長ではASIに届かないと考える人もいます。米国人工知能学会(AAAI)は、2025年に公表した報告書で、475人の回答をまとめました。そのうち76%が、今のAIの方法を大きくするだけでAGIに至るのは「ありそうにない」か「非常にありそうにない」と答えました(AAAIの2025年の報告書による)。チューリング賞を受けたヤン・ルカン氏も、今の大規模言語モデルでは人間並みの知能に届かず、別の方法が必要だと主張しています(ブラウン大学の講演記事(2026年4月)による)。
世界の専門家がまとめた「International AI Safety Report」の2026年版も、2030年までのAIの進歩の道筋は不確かで、停滞も、今のペースの継続も、劇的な加速もありうるとしています。さらに、AIの能力は「でこぼこ」で、難しい課題をこなす一方で、もっと簡単な課題に失敗することがあると指摘しています(International AI Safety Report 2026の要約による)。
講演の数字を読むときの3つの注意点
孫正義氏の講演の数字を、ほかの資料と照らし合わせると、読み方に注意が要る点が見えてきます。
注意点1:「ChatGPT 5.6が約99%で専門家を上回る」は孫正義氏の発言
孫正義氏は講演で、毎日使っている「ChatGPT 5.6」が、人間の業務タスクの約99%で専門家を上回っていると紹介しました(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。ただし、OpenAIのGPT-5.6の発表ページには、専門家に勝った割合の数字は載っていません(OpenAIのGPT-5.6の発表(2026年7月9日)による。2026年9月にWebLebenが確認)。
OpenAIは「GDPval」という評価で、9つの産業・44の職種の実務の課題について、AIの成果物と専門家の成果物を比べています(OpenAIのGDPvalの説明による)。
OpenAIが公表している「専門家と同等以上」の割合は、GPT-5.2 Thinkingで70.9%(OpenAIのGPT-5.2の発表による)、GPT-5.5で84.9%です(OpenAIのGPT-5.5の発表による)。この数字には引き分けも含まれていて、GPT-5.2 Thinkingが専門家に「明確に勝った」割合だけを見ると49.8%でした。
99%という数字は、孫正義氏の見立てとして受け止め、公表された評価とは分けて考えるのが安全です。
なお、講演は2026年7月時点の話です。OpenAIはその後、GPT-6 Astraを発表し、2026年9月22日にはGPT-6 SolとGPT-6 Lunaを加えています(OpenAIのGPT-6の発表による)。AIの性能は数か月で塗り替わるため、講演の例として出たモデル名や数字も、いつの時点の話かを添えて読むのがおすすめです。
注意点2:「3TW」は電力の大きさ。年間の電力量とは単位が違う
孫正義氏の「3TW(テラワット)」は、ある瞬間に使う電力の大きさを表す単位です。これに対して、国際エネルギー機関(IEA)の予測は、1年間に使う電力の量(TWh:テラワット時)で示されています。
IEAは、データセンター全体の電力消費が2025年の485TWhから2030年に950TWhへほぼ倍増し、世界の電力需要の約3%になると見ています(IEA「Key Questions on Energy and AI」(2026年4月)による)。
単位をそろえるために計算すると、3TWの電力を1年間(8,760時間)使い続けた場合、電力量は約2万6,000TWhになります。IEAによると、2024年のデータセンターの電力消費は約415TWhで世界の電力消費の約1.5%です(IEA「Energy and AI」(2025年4月)による)。
ここから逆算すると、世界全体の電力消費は年2万7,000TWh前後になります。孫正義氏の3TWは、今の世界の電力消費とほぼ同じ量を、AIのデータセンターだけで使う規模だということです(報道では「現在の世界の発電量の1.8倍」と紹介されていますが、比べ方が示されていないため、ここではIEAの数字をもとに計算しました)。IEAが見込む2030年の950TWhと比べると、20倍を超えます。孫正義氏の予測が、今の公的な見通しよりもはるかに大きい世界を描いていることが分かります。
注意点3:「10億台のヒューマノイド」は、ほかの予測では2050年ごろ
人型ロボットについては、金融機関などが予測を出しています。モルガン・スタンレーは、人型ロボットの使用台数が2050年に10億台を超えうると予測しています。普及は2030年代半ばまではゆっくりで、2030年代後半から2040年代に加速するという見立てです(モルガン・スタンレーの予測(2025年5月)による)。
シティは、2050年に約6億5,000万台が働くと推計しています(シティの推計(2024年11月)による)。孫正義氏の「2040年に10億台」は、これらより10年ほど早い見通しです。
ルールづくりも進んでいる
ASIに近づくほど、安全に使うためのルールが重要になります。OpenAI自身も、超知能のリスクは壊滅的になりうるとし、人の意図に沿わせる仕組みと制御が確実でない状態で展開すべきではないと書いています(OpenAIの文章「AI progress and recommendations」(2025年11月)による)。
日本では、AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)が2025年9月1日に全面施行されました(内閣府の広報(2025年10月)による)。AI法に基づく人工知能基本計画は、奇しくも孫正義氏の講演と同じ2026年7月14日に、改めて閣議決定されました。計画は、現場で使う「バーティカルAI」と、現実の空間で価値を生む「フィジカルAI」を、日本の勝ち筋に置いています(内閣府の人工知能基本計画(2026年7月14日)による)。EUでは、AI法が2026年8月2日から本格的に適用され始めました。ただし、雇用や教育、重要インフラなどの高リスク分野の規則は、改正によって2027年12月2日からに延びています(欧州委員会のAI法の説明による)。
ASIの時代についてよくある誤解
ここまでの内容をふまえて、ASIや孫正義氏の講演について誤解されやすい点を4つ整理します。
誤解1:ASIはもう実現している
2026年9月時点で、ASIが実現したと広く認められた例はありません。Google DeepMindの研究者らの段階分けでも、幅広い仕事で人間を上回る最上位のレベルは「まだ達成されていない」とされています。孫正義氏の講演も、2040年に向けた予測として語られたものです。
誤解2:ASIの時代には、ほとんどの仕事がなくなる
孫正義氏自身、2040年にAIに置き換わるのは世界のGDPの約20%で、残りの約80%はこれまでとあまり変わらないと述べています。研究者の調査でも、すべての職業が自動化される時期の予測は、個々の作業で機械が人間を上回る時期よりずっと先です。仕事が丸ごと消えるよりも、仕事の中の作業の分担が変わっていくと考えるほうが、今の調査結果に近い見方です。
誤解3:講演の数字は、すでに決まった未来だ
講演の数字は、どれも孫正義氏の予測です。孫正義氏自身の見通しも、2024年10月の「AGIは2、3年後」から2025年7月の「5年後にAGI」へと変わってきました。数字は「この方向に進むと、これくらいの規模になりうる」という一つの見立てとして受け止め、ほかの予測と並べて読むのが安全です。
誤解4:大企業の話で、中小企業や地方の暮らしには関係ない
講演は大企業の経営者に向けたものでしたが、影響は会社の規模や地域を選びません。むしろ、生成AIを使った小規模企業のほうが大企業より効果を強く感じているという調査もあります。人手不足が深刻な地方ほど、AIが人手を補う意味は大きくなります。詳しくは、このあとの業種・中小企業・暮らしの節で説明します。
ASIの時代に影響が大きい業種・影響が小さい業種
孫正義氏は、2040年に世界のGDPの約20%がAIに置き換わり、残りの約80%はこれまでとあまり変わらないと述べました。では、どの仕事や業種が「20%」の側に入りやすいのでしょうか。孫正義氏の講演では業種ごとの分析は示されていないため、ここでは国際機関や研究機関の調査をもとに整理します。
先に大事な前提をお伝えします。「AIの影響を受ける」は、「仕事がなくなる」と同じ意味ではありません。国際労働機関(ILO)は、生成AIの主な影響は、仕事を丸ごと自動化するよりも、仕事の一部を補って助けることになりそうだとしています(ILOの報告書(2023年)による)。
影響が大きいのは、事務と「画面の中で完結する」頭脳労働
どの調査でも上位に来るのが、事務の仕事です。ILOの調査では、生成AIの影響を強く受けるのは事務職だけで、事務職の作業の24%が影響大、さらに58%が影響中程度とされました(ILOの報告書(2023年)による)。2025年の改訂版では、データ入力係やタイピストなどが最も影響の大きい区分に入り、メディア・ソフトウェア・金融など、デジタル化の進んだ頭脳労働の職業でも影響が増えたとされています(ILOのニュースリリース(2025年5月)による)。
世界経済フォーラム(WEF)の報告書も、2030年までに最も速く減る仕事として、郵便事務員、銀行窓口係、データ入力係を挙げています(WEF「Future of Jobs Report 2025」による)。米国では、AIの実際の使われ方から見て最も影響が大きいのはプログラマーで、次がカスタマーサービスの担当者だという分析もあります(Anthropicの分析(2026年3月)による)。
ゴールドマン・サックスの米国の分析では、自動化されうる作業の割合は、事務・管理の仕事で46%、法律の仕事で44%と高い一方、建設は6%、保守・修理は4%にとどまりました(ゴールドマン・サックスの調査レポート(2023年3月)による)。
影響が小さいのは、体を使い、その場で判断する仕事
逆に、AIの影響が小さいとされるのは、手先の技能や体力が要る仕事です。経済協力開発機構(OECD)の日本についての報告書は、日本を除くOECD加盟22か国のデータを使った分析を紹介しています。AIの影響を最も受けにくいのは、清掃員、農林漁業の作業者、調理の補助、単純作業員など、手先の技能や体力が必要な職業だという結果です(OECD「Artificial Intelligence and the Labour Market in Japan」(2025年11月)による)。米国の分析でも、調理師、バイクの整備士、バーテンダー、皿洗いなどは、AIの利用で作業がまったくカバーされていない例として挙げられています(Anthropicの分析(2026年3月)による)。
ただし、ここで注意が必要です。これらは、今のAI(生成AIを含む)の能力と、仕事の中身の重なりを見た調査です。ロボットなども含めた自動化のリスクで見ると、結論が変わります。OECDの2023年の報告書は、ロボットなども含めた自動化のリスクでは、建設・採掘や農林漁業の職業が最もリスクの高い側に入ると整理しています(OECD「Employment Outlook 2023」による)。孫正義氏が描く「10億台のヒューマノイド」の世界が来れば、体を使う仕事にも変化が及びます。「今のAIの影響が小さい」と「将来も変わらない」は、分けて考えるのが安全です。
業種別の影響の早見表
国際機関などの調査と、孫正義氏の講演の内容をもとに、業種ごとの影響をまとめました。影響の大きさは、紹介した調査をもとにWebLebenが整理した目安です。
| 業種・仕事 | ASI時代に変わること | 今のAI(生成AI)の影響 | ロボットも含めた長期の影響 |
|---|---|---|---|
| 事務・経理・総務 | 入力・転記・書類づくり・問い合わせ対応の多くをAIエージェントが担う | 大きい | 大きい |
| 金融・保険 | 審査・窓口・書類確認の自動化、相談の個別化 | 大きい | 大きい |
| 情報通信・ソフトウェア | プログラムを書く作業の多くをAIが担い、人は設計と確認へ | 大きい | 大きい |
| メディア・広告・出版 | 文章・画像・動画の下書きをAIが作る | 大きい | 大きい |
| 小売・卸売 | 需要予測・発注・接客の一部の自動化、無人の店舗 | 中程度 | 大きい |
| 製造業 | 検査・計画・見積もりのAI化、ロボットによる組み立てや運搬 | 中程度 | 大きい |
| 物流・運輸 | 配車・経路の最適化、自動運転、倉庫のロボット | 小〜中程度 | 大きい |
| 医療 | 画像診断の支援、記録の作成、個別化医療 | 中程度 | 中〜大きい |
| 介護・福祉 | 記録・見守りのAI化、ロボットによる介助の補助 | 小さい | 中程度 |
| 建設 | 設計・積算・書類のAI化、現場の作業は人が中心 | 小さい | 中程度 |
| 農林漁業 | 生育の予測、画像による病害虫の診断、自動化の機械 | 小さい | 中程度 |
| 飲食・宿泊・理美容 | 予約・発注・集客のAI化、接客や調理は人が中心 | 小さい | 小〜中程度 |
同じ業種の中でも「作業」によって差が出る
表は業種ごとの目安ですが、実際には、同じ会社の中でも作業によって影響が大きく違います。たとえば建設業なら、積算や書類づくりはAIの影響を強く受ける一方、現場での施工は人の技能が中心のままです。研究者2,778人への調査でも、「タスク単位で機械が人間を上回る」時期より「職業がまるごと自動化される」時期のほうが、ずっと遅いと予測されています(AI Impactsらの調査論文による)。業種で一括りにせず、自社の仕事を作業に分けて見ることが大切です。
日本では「人が足りない仕事」ほどAIの影響が小さい
日本の事情を重ねると、見え方が変わります。2026年3月の全国の有効求人倍率を見ると、事務の仕事は0.44倍(仕事より希望者が多い)なのに対し、建設・採掘の仕事は4.81倍、介護サービスの仕事は3.63倍です(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分)」の参考統計表による)。つまり、日本で人が足りないのは、今のAIの影響が小さい仕事の側です。
リクルートワークス研究所は、2040年に日本で1,100万人余りの働き手が足りなくなると試算しています。建設の仕事は2040年に65.7万人、介護サービスの仕事は58.0万人が不足するという見込みです(リクルートワークス研究所「未来予測2040」による)。OECDも、日本は長期雇用の慣行と慢性的な人手不足のため、AIによる失業が他国より起こりにくい可能性があると指摘しています(OECDの同じ報告書の別の章による)。
日本にとってのASIは、「仕事を奪うもの」である前に、「足りない人手を補うもの」として働く面が大きいと考えられます。
中小企業にとってASIの時代は何を意味するか
孫正義氏の講演は、大企業の経営者が多く集まる場でのものでした。公表されている講演の記録には、中小企業に向けた話は出てきません。ただ、講演で示された考え方の多くは、規模の小さい会社にもそのまま当てはまります。ここでは、公的な調査の数字をもとに、中小企業から見たASIの時代を考えます。
中小企業のAI活用の今:大企業との差と、小さな会社ならではの手応え
帝国データバンクの2026年3月の調査では、生成AIを業務で活用している企業は34.5%でした。規模別に見ると、大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%と、規模が小さいほど低くなっています(帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年5月)による)。総務省の調査でも、生成AIの活用方針を定めている割合は、大企業74.0%に対し中小企業58.1%です(総務省「令和8年版 情報通信白書」による)。
一方で、見逃せない数字もあります。同じ帝国データバンクの調査で、生成AIが「大いに効果が出ている」と答えた割合は、小規模企業が29.7%で、大企業の20.8%を上回りました。社長が自分で使い、すぐに仕事のやり方を変えられる小さな会社ほど、効果を実感しやすい面があると考えられます。総務省も、中小企業のAI活用は経営トップが関わることが鍵とみています(総務省「令和8年版 情報通信白書」による)。
| 項目 | 大企業 | 中小企業 | 小規模企業 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| 生成AIを業務で活用している | 46.5% | 32.4% | 28.0% | 帝国データバンク(2026年3月調査) |
| 生成AIの活用方針を定めている | 74.0% | 58.1% | ― | 総務省「令和8年版 情報通信白書」 |
| 「大いに効果が出ている」 | 20.8% | ― | 29.7% | 帝国データバンク(2026年3月調査) |
中小企業から見たASIの時代の3つの意味
意味1:足りない人手を補う道具になる
中小企業庁は、2026年版の中小企業白書で、働き手の数が減る社会の到来により中小企業の雇用者数が減る見込みで、人手不足がさらに深刻になるおそれがあるとしています(経済産業省のニュースリリース(2026年4月24日)による)。白書の概要では、一定の試算で、従業者99人以下の中小企業の雇用者数が2040年に2018年の8割半ばまで減る可能性が示されています(中小企業庁の白書の概要説明(2026年6月)による)。人を増やせない中で仕事を回すには、AIエージェントに任せられる作業を増やすことが現実的な手段になります。
意味2:大企業との差を縮めるチャンスにもなる
同じ白書の概要は、地域に根ざした中小企業にとって、AIによる変革(AX)は人手不足を乗り越え、大企業を追い抜くほど成長するチャンスだと位置づけています。売上を増やすためのAI活用に取り組む企業は、そうでない企業より付加価値額を増やしているという分析もあります(中小企業庁の白書の概要説明による)。これまで人を雇えなければできなかった仕事を、AIエージェントが担えるようになれば、会社の規模の差は小さくなっていきます。
意味3:「AIを使う会社」との差が広がるおそれもある
孫正義氏は講演で「AIに仕事を奪われるのではない。AIを使う企業に、AIを使わない企業が仕事を奪われるのだ」と述べました(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。同じ地域、同じ業種の中でも、AIを使う会社と使わない会社で、見積もりの速さ、対応できる件数、価格に差が出てくると考えられます。総務省の調査では、生成AIによる業務の変革に「組織的な取組はない」企業の割合が日本は27.0%で、米国・ドイツ・中国より高く、中小企業で特に高いとされています(総務省「令和8年版 情報通信白書」による)。
業種別に見る、中小企業の仕事の変わり方の例
帝国データバンクの調査では、生成AIを業務で活用している企業の割合に、業界ごとの差があります。サービスが47.8%で最も高く、金融38.6%、不動産34.9%が続く一方、建設は26.4%、運輸・倉庫は27.5%と相対的に低くなっています(帝国データバンクの調査による)。ここでは、中小企業が多い業種を例に、ASIに向かう15年でどんな変化が考えられるかを整理します。いずれも、この記事で紹介した調査をもとにWebLebenが整理した見通しで、会社ごとの状況によって変わります。
製造業の場合
見積もりや生産の計画、図面や仕様書の読み取り、画像による検査など、パソコンの中の作業からAIに任せる部分が増えていくと考えられます。組み立てや運搬は、長い目ではロボットが担う部分が広がります。職人の技能や、取引先の細かな要望をくみ取る力は、会社の強みとして残りやすい部分です。
建設業の場合
現場の施工は人の技能が中心のままと考えられる一方、積算、書類づくり、工程の管理はAIの影響を受けやすい作業です。建設・採掘の仕事の有効求人倍率は4.81倍と、人が足りない状態が続いています(厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分)」の参考統計表による)。書類の作業をAIに任せ、限られた人を現場に回すことが、現実的な使い方になると考えられます。
小売・飲食・宿泊業の場合
予約の受付、発注、需要の予測、集客の文章づくりなどは、AIに任せやすい作業です。接客や調理は人が中心のままと考えられますが、長い目では、ロボットによる配膳や調理の補助などで、店の運営の形が変わる可能性もあります。
介護・福祉の場合
介護事業所の65.2%が、従業員が足りないと答えています(介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査」による)。記録の作成や見守りなどは、センサーやAIが担う部分が広がり、人は利用者と向き合う時間を増やせるようになると考えられます。
士業・事務サービス業の場合
書類の作成や確認、調べものは、生成AIの影響を強く受ける作業です。ゴールドマン・サックスの米国の分析では、法律の仕事で自動化されうる作業の割合は44%とされています(ゴールドマン・サックスの調査レポート(2023年3月)による)。作業の量で勝負するよりも、お客さまの事情をくみ取った判断や助言に重心を移すことが、これからの方向になると考えられます。
孫正義氏の講演から中小企業が取り入れられる考え方
講演は大企業向けでしたが、次の考え方は会社の規模に関係なく使えます。
- 3年で測る:AIへの投資の効果を「ROA(Return on AI)」として、短期ではなく3年ほどの期間で見る
- 得意分野から始める:報道によると、孫正義氏は「自分の業態の得意な分野の知見やデータはたくさん持っているわけだから、得意分野でとことんAI化を進めれば良い」と語っています(AI Watchの報道による)
- 15年後から逆算する:自分の業界が15年後にどうなっているかを考え、そこから「今年やること」を決める
- 守りも同時に固める:AIを使った攻撃が増える中、システムのすき(脆弱性)の点検と修正を続ける
今から3年で中小企業ができることのチェックリスト
- 自社の仕事を「作業」に分けて書き出し、AIに任せられそうな作業に印を付けた
- 紙やExcelに散らばった記録(見積もり、日報、問い合わせ)を、あとで使える形で残し始めた
- 社長自身が、毎日の仕事で生成AIを使っている
- 社員がAIを使うときの決まり(入力してはいけない情報、答えの確かめ方)を作った
- AIに使ったお金と、減った時間・増えた売上を記録し、3年で振り返る仕組みがある
- パソコンやソフトの更新、パスワードの管理など、基本のセキュリティ対策を続けている
- 人にしかできない仕事(お客さまとの信頼関係、現場での判断、技能)を、会社の強みとして言葉にした
帝国データバンクの調査で、生成AIの懸念として最も多かったのは「情報の正確性」(50.4%)でした(帝国データバンクの調査による)。AIの答えをそのまま使わず、人が確かめる手順を決めておくことが、どの段階でも大切です。
AIの進み方を踏まえて、中小企業が何から、どの順番で進めるかの判断基準は、これからAIとどう向き合うかで整理しています。
地方の中小企業から見たASIの時代:島根の場合
WebLebenのある島根県を例に、地方から見たASIの時代を考えます。島根県の人口は、2020年の67.1万人から、2050年には49.7万人になると推計されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」の概要による)。一方で、職場でAIを使っている人の割合を見ると、東京都の13.8%に対して、島根県は2.5%です。都道府県で最も低いとされています(OECD「Artificial Intelligence and the Labour Market in Japan」(2025年11月)による。元のデータは労働政策研究・研修機構の2024年の調査)。
人口が減るのに、AIの活用はまだこれから。この2つを合わせると、地方の中小企業にとってAIは、人手を補う手段としての伸びしろが最も大きい地域の一つだとも言えます。島根県も、県内の中小企業はデジタルに詳しい人材が少なく、関心はあっても導入に踏み切れない企業が多いとして、段階別の支援を行っています(島根県「企業のデジタル化支援」による)。
ASIの時代に暮らしはどう変わる?生活の6つの場面
孫正義氏の講演は企業経営の話が中心でしたが、暮らしに関わる話として、分身のAIエージェント、健康寿命、ロボットなどにも触れています。ここでは、2026年の今すでに始まっていることと、孫正義氏が描く2040年の姿を並べて、生活の変化を6つの場面で見ていきます。
場面1:働き方と時間の使い方
孫正義氏は、自分の経験や考え方を学んだAIエージェントが、夜中も休日も代わりに仕事をこなし、人は自分が最もやりたいこと、心が動くことに時間を使えばよいと語りました。ゴルフや散歩、旅行を楽しんでいる間も分身が働き、人は陶芸、新しいビジネスの企画、家族との対話などに時間を使えばよい、という例も挙げています(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。
今の日本では、自分で生成AIを仕事に使っている雇用者は6.4%(2024年時点)にとどまります。それでも、今後10年以内に職場でAIの利用が進むと考える人は55.6%いて、AIを使い始めて月の残業時間が「減った」と答えた人は「増えた」と答えた人より多いという結果も出ています(労働政策研究・研修機構の調査(2025年5月)による)。
場面2:健康と医療
孫正義氏は、AIが個人のデータから健康寿命を予測し、一人ひとりに合わせた医療や遺伝子治療薬によって、健康寿命をさらに10年延ばすようになると述べました(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。
これはまだ予測ですが、医療でのAIの利用はすでに始まっています。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、承認されたプログラム医療機器の一覧を公表しています。2026年3月31日時点の一覧では、AIを活用した医療機器の欄に印が付いたものが65品目あり、多くはX線や内視鏡などの画像診断を支援するものです(PMDA「プログラム医療機器の承認等情報」の一覧をWebLebenが数えた値。承認品のみ)。同じ一覧には、家庭で使うものとして、睡眠時無呼吸の兆候を知らせるプログラムも載っています。なお、PMDAは、この印がAIを使うプログラム医療機器をすべて網羅したものではないと断っています。
場面3:移動と物流
講演のスライドでは、今後100年の進化の一つに「自動運転・物流」が挙げられています。日本では、運転者がいないレベル4の自動運転の許可を、福井県永平寺町が2023年5月に国内で初めて取得しました(経済産業省・国土交通省「RoAD to the L4」による)。2026年1月13日からは、千葉県柏市の一般道で、中型バスによるレベル4の運行が始まりました。区間は700mで、運転席には乗務員が乗る形です(経済産業省のニュースリリース(2026年1月13日)による)。
政府は、2027年度までに無人の自動運転の移動サービスを100か所以上で実現する目標を掲げ、2030年度には自動運転のサービスの車両を1万台にするという指標も示しています(国土交通省「自動運転を巡る動きについて」による)。バスやタクシーの運転手が足りない地方ほど、恩恵が大きい分野です。
場面4:介護と見守り
介護の現場でも、センサーやロボットの利用が進んでいます。介護労働安定センターの調査では、入所型の介護施設でベッドセンサーを日常的に使っている割合は70.1%でした。ICT機器や介護ロボットを使っている事業所の約半数が、昼間や夜間の業務の負担が減る効果があったと答えています(介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査」による)。孫正義氏の描くヒューマノイドの時代は、この延長線上にあると考えられます。
場面5:学びと子どもの教育
文部科学省は、学校向けの生成AIのガイドライン(Ver.2.0)を2024年12月に公表しています(文部科学省「生成AIの利用について」による)。教職員の仕事での生成AIの活用はまだ道半ばですが、生成AIを活用した学校の98%が、働き方の改善に効果があったと答えたという報告もあります(中央教育審議会の資料(2026年6月)による)。ASIの時代には、AIを使いこなす力と、AIの答えを確かめる力の両方が、学びの基本になっていくと考えられます。
場面6:電気・安全・情報の見分け方
暮らしに関わるのは便利さだけではありません。AIを動かす電力は大きく増えていきます。日本でも、電力広域的運営推進機関の想定では、データセンターの新設・増設による最大電力の上乗せ分が、2035年度に661万kWと見込まれています。ただし、工事の延期などで、前回の想定より需要の伸びは後ろにずれたとも注記されています(電力広域的運営推進機関「2026年度 全国及び供給区域ごとの需要想定」による)。孫正義氏は、AIの電源について、当面はガス発電が現実的で、将来は核融合発電が来ると見ています(AI Watchの報道による)。
安全の面では、孫正義氏は、AIが攻撃の武器や手法を作り「機関銃のように」攻撃を仕掛ける世界になってきたと警告しました(ソフトバンク ビジネスブログの講演レポートによる)。講演は会社のシステムの話でしたが、パソコンやスマートフォンの更新、パスワードの管理といった基本の対策は、家庭でも同じように大切です。
また、International AI Safety Reportは、AIの能力は「でこぼこ」だと指摘しています。難しい課題をこなす一方で、もっと簡単な課題に失敗することがある、という意味です(International AI Safety Report 2026の要約による)。AIの答えや、AIで作られたかもしれない情報を、うのみにしない習慣がこれまで以上に大切になります。
暮らしの変化の早見表
| 場面 | 2026年の今 | 孫正義氏が描く2040年 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 働き方 | 生成AIを仕事に使う雇用者は6.4%(2024年) | 分身のAIエージェントが24時間働く | AIに任せる範囲と、人が確かめる範囲を決める |
| 健康・医療 | 画像診断の支援などAI活用の医療機器が承認されている | 健康寿命がさらに10年延びる | 健康の判断はAIだけに頼らず、医師に相談する |
| 移動・物流 | 限られた地域でレベル4の自動運転 | 自動運転と物流の自動化が広がる | 地域ごとに導入の時期は違う |
| 介護 | 見守りセンサーの利用が広がる | ヒューマノイドが介助を補う | 人のぬくもりが要る場面は残る |
| 学び | 学校向けの生成AIのガイドラインがある | AIが一人ひとりの先生役になる | AIの答えを確かめる力を育てる |
| 安全 | AIを使った攻撃が増えている | AIが攻撃にも防御にも使われる | 更新・パスワード・うのみにしない習慣 |
孫正義氏のASIと2040年についてよくある質問
ASIとAGIの違いは何ですか?
AGI(汎用人工知能)は、人間と同じくらい幅広い知的な仕事をこなすAIです。ASI(人工超知能)は、ほぼすべての分野で人間をはるかに超えるAIです。孫正義氏は2023年のSoftBank Worldで、AGIを「人類の叡智の総和の10倍」、ASIを「1万倍」と表現しました(ソフトバンク ビジネスブログの2023年の講演レポートによる)。2026年9月時点で、ASIは実現していません。AGIについては、すでに近い、まだ遠いと見方が分かれています。
孫正義氏の講演の動画や資料はどこで見られますか?
講演の動画は、YouTubeの「ソフトバンク公式 ビジネスチャンネル」で公開されています(約66分、2026年9月1日公開)。文章で読みたい場合は、ソフトバンク ビジネスブログの講演レポート(2026年7月16日掲載)と、ソフトバンクニュースの講演レポート(2026年7月23日掲載)が、スライドの画像とあわせて要点をまとめています(いずれも2026年9月に確認)。
2040年にASIは本当に実現しますか?
確かなことは、誰にも分かりません。AI企業のトップには数年以内と見る人が多い一方、研究者の調査では、機械があらゆる作業で人間を上回る確率が50%になるのは2047年という結果でした(AI Impactsらの調査論文による)。Google DeepMindのデミス・ハサビス氏は、2026年1月のダボス会議で、AGIが10年以内に実現する確率を50%と述べたと報じられています(Fortuneの報道(2026年1月)による)。孫正義氏の2040年という見通しは、こうした予測の幅の中にある一つのシナリオとして受け止めるのがよいでしょう。
ASIの時代に、自分の仕事はなくなりますか?
仕事が丸ごとなくなるかどうかは、職種よりも、仕事の中の「作業」によって決まる面が大きいと考えられます。国際労働機関(ILO)は、生成AIの主な影響は、仕事を自動化するよりも、仕事の一部を補って助けることになりそうだとしています(ILOの報告書(2023年)による)。自分の仕事を作業に分けて書き出し、AIに任せられる作業と、人が担う作業を見分けておくと、変化に備えやすくなります。
ASIは危険ではないのですか?
危険がないとは言えません。上の「ルールづくりも進んでいる」で紹介したとおり、OpenAI自身も、超知能のリスクは壊滅的になりうると書いています(OpenAIの文章「AI progress and recommendations」(2025年11月)による)。アンソロピックのダリオ・アモデイ氏も、2026年9月の文章で、AIの能力を上げるペースを落とすべきだと主張しました(アモデイ氏の文章「We Must Pace the Frontier」(2026年9月)による)。日本ではAI法が2025年9月に全面施行され、EUでもAI法の適用が進んでいます。身近なところでは、AIを悪用したサイバー攻撃への備えと、AIの答えをうのみにしない習慣が大切です。
中小企業は、今から何を準備すればよいですか?
まずは、社長自身が毎日の仕事で生成AIを使い、自社の仕事を作業に分けて、AIに任せられそうなものを見つけるところから始めるのがおすすめです。あわせて、見積もりや日報などの記録を、あとで使える形で残し始めると、将来AIエージェントに任せる土台になります。孫正義氏の言う「ROA(Return on AI)」のように、使ったお金と減った時間を記録し、3年ほどの期間で効果を振り返ると、判断がしやすくなります。具体的な項目は、上の「今から3年で中小企業ができることのチェックリスト」にまとめています。
ASIの時代に向けて、個人は何を学べばよいですか?
一般的には、次の3つが土台になると考えられます。1つ目は、生成AIを日々の小さな作業で実際に使ってみることです。2つ目は、AIの答えを確かめる習慣です。3つ目は、人との信頼関係や現場での判断など、人にしかできない力を磨くことです。労働政策研究・研修機構の調査では、企業がAIやロボットの導入で最も多く挙げた課題は「従業員が新技術を使いこなせるかが不安」(64.5%)でした(労働政策研究・研修機構の調査(2025年9月)による)。AIを使いこなせる人は、どの業種でも求められていくと考えられます。
まとめ:孫正義氏の2040年のASI予測を、自分の15年後に置きかえて考える
孫正義氏の「2040年 ASI Economy」は、大きな数字で未来を示した予測です。数字をそのまま信じるのでも、遠い話として聞き流すのでもなく、「自分の仕事や暮らしの15年後にどう関わるか」に置きかえて考えるのが、いちばん役に立つ読み方です。
この記事の要点
- ASI(人工超知能)は、ほぼすべての分野で人間をはるかに超えるAIで、2026年9月時点では実現していない
- 孫正義氏は、2040年にAIが世界のGDPの約20%(約7,000兆円)を担い、100兆個のAIエージェントと10億台のヒューマノイドが働くと予測した。いずれも予測で、確定した未来ではない
- 3TWの電力や10億台のヒューマノイドは、公的機関や金融機関の見通しよりも大きく、早い数字になっている
- 影響が大きいのは事務や画面の中で完結する仕事、小さいのは体を使って現場で判断する仕事。ただし、ロボットまで含めると長い目では変わりうる
- 人手不足が深刻な日本、とくに地方の中小企業にとっては、AIは足りない人手を補う手段としての面が大きい
読者タイプ別の次の行動
| 読者 | 次の行動 | 目安 |
|---|---|---|
| 会社員 | 自分の仕事を作業に分けて書き出し、生成AIに任せられそうな作業を1つ試す | 今週から |
| 中小企業の経営者 | 社長自身が毎日生成AIを使い、チェックリストの7項目のうち、できていないものを1つ始める | 今月から |
| 学生・保護者 | 生成AIを学びに使うときの学校の決まりを確かめ、AIの答えを自分で確かめる練習をする | 今学期から |
| 暮らしの中でAIに関心がある人 | スマートフォンやパソコンの更新とパスワードの管理を見直し、AIの答えをうのみにしない習慣をつける | 今日から |
さらに理解を深めるために確かめたい観点
- 講演の一次情報:数字は、公式の講演レポートや動画で、発言の前後とあわせて確かめる
- 数字の単位と比べる相手:「3TW」と「TWh」、「1万倍」の比べる相手など、単位と基準をそろえて読む
- 発言の時点:孫正義氏の見通しは年ごとに変わってきた。いつの、どの場での発言かを確かめる
- 自分の業界の人手の状況:有効求人倍率など、自分の業界で人が足りているかを見ると、AIとの関わり方が見えてくる
- ルールの動き:日本のAI法と人工知能基本計画、EUのAI法など、使い方のルールがどう変わるかを追う



