AI(エーアイ)とは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」のことです。
ニュースや仕事でAIという言葉を聞いても、何のことかをはっきり説明できずにいる方に向けた記事です。公的機関の説明をもとに、意味と定義、身近な例、種類、生成AIとの関係までを短くまとめました。
AI(人工知能)とは「Artificial Intelligence」の略
AI(エーアイ)とは、「Artificial Intelligence」の略です。日本語では「人工知能」と訳されます。英語の「Artificial」は「人工の」、「Intelligence」は「知能」という意味です。
AIの読み方は「エーアイ」、正式名称はアーティフィシャル・インテリジェンス
AIは、アルファベットのまま「エーアイ」と読みます。正式名称は「Artificial Intelligence」です。カタカナでは「アーティフィシャル・インテリジェンス」と書きます。
略さずに書くと長いため、ニュースや資料ではほとんど「AI」と略されます。「AI(人工知能)」のように、日本語を添えて書かれることもよくあります。
「AI」と「人工知能」は同じものを指す
「AI」と「人工知能」は、同じものを指す言葉です。英語の略称か、日本語の訳かの違いだけで、意味に差はありません。NEDOの解説も、「AI(Artificial Intelligence:人工知能)」と並べて書いています(出典1)。
NEDOは、新エネルギー・産業技術総合開発機構の略です。この記事でも、2つの言葉を同じ意味で使います。
AIという言葉は、1956年のダートマス会議で名付けられた
AIという言葉は、1956年の学会で名付けられました。総務省『平成28年版 情報通信白書』が、言葉の始まりを説明しています。人工知能という言葉が初めて世に知られたのは、1956年の国際学会です(出典2)。
白書の注では、ダートマス会議で計算機科学者のジョン・マッカーシーが命名したと説明されています。
身近になったのは最近でも、言葉そのものは1950年代からあります。
AIの意味と定義は、実は1つに決まっていない
AIの定義は、実は1つに決まっていません。研究者や機関によって、説明の仕方が少しずつ違います。
ただ、どの説明も、人間の知的な働きをコンピュータで実現するという点は共通しています。ここでは、研究者の考え方、公的機関の説明、法律の定義の3つを見ていきます。
研究者によって定義が違い、「知能」自体にも定義がない
AIの定義は、研究者によって異なります。白書は、AIを大まかに「知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」としています。
これは、人工知能学会の「人工知能のFAQ」にある説明で、名付け親のマッカーシーによる解説を訳したものです(出典3)。
そのうえで白書は、定義は研究者によって異なっている状況にあるとしています。背景には、そもそも「知性」や「知能」自体の定義がないことがある、と指摘されています。
NEDOは、人間の知的な判断をまねるコンピュータシステム群と説明
公的機関の説明では、NEDOの解説が分かりやすいです。AIは「人間の知的な判断や行動を模倣し」、膨大なデータをもとに動くものとされています。
そのうえで、「時に人間以上の認識・推論などの能力を発揮するコンピュータシステム群の総称」と説明されています。
「模倣」は、まねをするという意味です。また、現在のAIは「学習能力」によって性能が大きく向上した、とも書かれています。
日本のAI法にも、AIに関わる技術の定義がある
2025年に公布された日本のAI法にも、AIに関わる技術の定義があります。正式な名前は「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」です。
内閣府のページによると、令和7年(2025年)6月4日に公布・一部施行され、9月1日に全面施行されました(出典4)。
法律の第2条は、「人工知能関連技術」を次の2つの技術として定めています(出典5)。
- 人間の認知・推論・判断に関わる知的な能力を、人工的な方法で代わりに行う機能を実現するための技術
- 入力された情報をその技術で処理し、結果を出力する情報処理システムに関する技術
法律の言葉は難しいですが、人の頭を使う働きを代わりに行う技術と、それを使って情報を処理する仕組みのことです。
AIと普通のコンピュータの違いは「データから自分で規則を見つける」こと
AIと普通のコンピュータのいちばんの違いは、決まりを人が教えるか、データから自分で見つけるかです。NEDOの解説も、この違いからAIを説明しています。この違いを知ると、AIの答えが学んだデータの量や質に左右される理由も分かります。
普通のプログラムは、人が決めたルールどおりに動く
普通のコンピュータのプログラムは、人が前もって決めたルールどおりに動きます。NEDOはこれを「ルールベース」と呼び、人が決めた詳細なルールやプログラムに従って動くと説明しています。
猫の写真を見分けるなら、耳の形や目の位置、ひげの特徴といったルールを人が決める必要がありました。
ルールに書いていないことには、対応できません。
AIは大量のデータからパターンを学ぶ(機械学習)
AIは、大量のデータから規則性やパターンを自分で見つけて学び、それをもとに判断します。
この仕組みを「機械学習」と呼びます。
猫の例なら、大量の猫の画像から特徴を学び、初めて見る画像でも猫かどうかを判断できるようになります(出典1)。
人がルールを1つずつ書かなくてよい点が、普通のプログラムとの大きな違いです。機械学習のうち、人間の脳の仕組みをまねた多層のニューラルネットワークを使う方法もあります。
これを「深層学習(ディープラーニング)」と呼びます。
身近なAIの例は、音声アシスタントやチャットボット
AIは、すでに私たちの身の回りで使われています。特別な機械の中だけでなく、スマホや普段使うサービスの中にも入っています。
ここでは、公的機関が挙げている例と、WebLebenが開発したAIアプリを紹介します。
暮らしや仕事の中にあるAIの例
公的機関の資料には、暮らしや仕事の中で使われているAIの例が挙がっています。NEDOが挙げる身近なAIの例は、音声アシスタントやスマートスピーカー、チャットボットです。
総務省『令和5年版 情報通信白書』も、AIの使われ方を挙げています(出典6)。故障の予兆や、詐欺やスパム情報の検出、次に表示する動画の決定などです。
| 身近な例 | AIがしていること | 例に挙げている資料 |
|---|---|---|
| 音声アシスタント・スマートスピーカー | 話しかけた言葉を聞き取って応える | 出典1 |
| チャットボット | 質問に文章で答える | 出典1 |
| 詐欺やスパム情報の検出 | 詐欺やスパムらしい特徴を見つける | 出典6 |
| 動画サイトのおすすめ | 次に表示する動画を決める | 出典6 |
| 機械の故障の予兆 | データから、故障しそうなサインを見つける | 出典6 |
どれも、大量のデータから学んだパターンをもとに判断している点が共通しています。
WebLebenが開発したAIアプリ「ペットのココロ」

WebLebenも、AIを使ったWebアプリ「ペットのココロ」を、東京の開発会社と共同で開発しました。
愛犬・愛猫の写真や動画、音声をもとに、AIが表情・しぐさ・鳴き声などから、ペットの気持ちや状態を読み解くアプリです。ただし、ペットの気持ちを断定するものではありません。
飼い主が普段の様子を見つめ直したり、家族で会話したりするきっかけにしてもらうためのアプリです。写真や音声の特徴から読み解くという点で、上の表の例と同じく、データから学んだAIの使い方の1つです。
AIの種類は「特化型」「汎用型」「人工超知能」の3つ
AIは、こなせる作業の幅によって、特化型・汎用型・人工超知能の3つに分けられます。
これはNEDOの解説にある分類です。
いま私たちが使っているAIは、ほとんどが1つ目の特化型です。
いま使われているAIのほとんどは「特化型」
いま実用化されているAIのほとんどは、特化型人工知能(ANI)です。
特定の作業に特化したAIで、「弱いAI」とも呼ばれます(出典1)。画像認識や自然言語処理など、決められた範囲の課題で高い性能を出します。
自然言語処理とは、人が話したり書いたりする言葉を、コンピュータで扱う技術のことです。
NEDOは、生成AIを含め、現在実用化されているAIのほとんどが特化型にあたるとしています。ChatGPTのような対話のAIも、いろいろな質問に答えられる点で汎用性が高い、とも書かれています。
人間のように何でもこなす汎用型AI(AGI)は、まだ実現していない
人間のようにさまざまな作業に柔軟に対応できるAIは、まだ実現していません。
このようなAIを汎用型人工知能(AGI)と呼び、「強いAI」とも呼ばれます。NEDOは、開発は進められているものの、2025年時点ではまだ実現していないとしています。
その先に、人間の知能を超える人工超知能(ASI)という考え方もありますが、今は理論上の概念です。
AIが人間の知能を超える転換点は、「技術的特異点(シンギュラリティ)」と呼ばれます。
詳しくは、シンギュラリティとはで解説しています。
AIと生成AIの関係は「生成AIはAIの一種」
生成AIは、AIの中の一種です。NEDOによると、生成AIは深層学習から生まれた技術です。
NEDOは生成AIを、新しいテキスト・画像・音声などを作る技術と説明しています。
学習したデータの傾向に基づき、次に続く要素を確率的に選ぶことで作ります。
総務省の白書でも、情報を生成・創造する目的で使われるAIとして、生成AIが紹介されています。
生成AIの意味や例、使う前の注意点は、生成AIとは?簡単にわかる意味と例で詳しく説明しています。
その生成AIは、Google検索にも組み込まれています。検索結果に「AIによる概要」が出るようになり、サイト側で何をすればよいかは、AIO対策とは?やることとやらなくていいことにまとめています。
AIの歴史は1950年代から。いまは「第4次AIブーム」とも呼ばれる
AIの研究は、ChatGPTで急に始まったわけではなく、1950年代から続いています。
3度のブームと2度の冬の時代を経て、いまは生成AIが注目を集めています。
3度のブームと2度の「冬の時代」を経てきた
AIの研究は、期待が高まるブームと、期待がしぼむ冬の時代をくり返してきました。
NEDOによると、1950年代に始まった開発は、これまでに3度のブームと2度の冬の時代を経験しています。
| 時期 | 呼び方 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 1950年代後半〜1960年代 | 第1次AIブーム | コンピュータによる探索や推論。簡単な定理の証明やゲームなど、限られた問題にしか対応できなかった |
| 1980年代 | 第2次AIブーム | 専門家の知識をルールにするエキスパートシステム。知識を人手で書き換える必要があり、広く普及しなかった |
| 2000年代〜 | 第3次AIブーム | データから学ぶ機械学習。2010年頃から深層学習の研究が盛んになった |
| 2022年〜 | 「第4次AIブーム」と呼ぶ研究者もいる | ChatGPTなど、生成AIの登場 |
表の内容は、NEDOの解説をもとにまとめています。
2022年のChatGPT登場で、新しい段階に入った
いまのAIブームは、生成AIの登場で新しい段階に入っています。NEDOは、2022年にChatGPTなどが登場したことで、AIブームが新たな段階に進んだと説明しています。
この状況を「第4次AIブーム」の到来と呼ぶ研究者もいます。2024年のセミナーの最後には、「AIは脅威ではなく、優れたパートナーです」と伝えました。
AI(人工知能)についてよくある質問
ここでは、AIは人間のように考えているのか、答えを信用してよいのか、何から使い始めればよいのかの3つに答えます。
AIは、人間のように考えているのですか?
今のAIは、人間と同じように考えているわけではありません。
白書は、AIを「人間のように考えるコンピューター」と捉えるなら、それは未だ実現していないとしています。人工知能学会のFAQでも、AIはときには人の知能をまねるものの、いつもそうするわけではないと説明されています。
AIの答えは、そのまま信用してよいですか?
AIの答えは、そのまま信用せず、人が確かめる必要があります。NEDOは、AIが時に誤った答えや、事実と異なる情報を出すことがあると説明しています。
原因は、学習データの偏りや、AIの識別・予測の仕組みにある場合があります。
生成AIを使うときの注意点は生成AIとは?の「3つの注意点」で、リスクの全体像はAIリスクとはで解説しています。
AIは、何から使い始めればよいですか?
まずは、ChatGPTなどの生成AIで、身近な文章づくりを1つ試すのがおすすめです。
試し方は、生成AIとは?の「初めて使うときの手順」で紹介しています。会社での進め方は中小企業のAI導入は何から始める?、業務別の使い道はAIができることとできないことにまとめています。
まとめ:AI(人工知能)は、人の知的な判断をまねる技術の総称
- AIは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では人工知能。読み方は「エーアイ」
- 定義は1つに決まっていないが、NEDOは人間の知的な判断や行動をまねるコンピュータシステム群の総称と説明
- 普通のプログラムとの違いは、データから自分で規則を見つけること(機械学習)
- いま使われているAIのほとんどは特化型で、人間のように何でもこなすAIはまだない
- 生成AIはAIの一種で、2022年から新しいブームを起こしている
AIは、仕組みを知ると、どこで役に立ちそうかが見えてきます。次は生成AIとは?簡単にわかる意味と例を読んで、生成AIを1回試してみてください。
参考・確認済みURL一覧
| 出典 | 資料 |
|---|---|
| 1 | NEDO「『AI』知っておきたい基礎知識」(2026年1月6日) |
| 2 | 総務省『平成28年版 情報通信白書』第1部 第2節「人工知能(AI)とは」 |
| 3 | 人工知能学会「人工知能のFAQ」 |
| 4 | 内閣府「AI法(人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)」 |
| 5 | e-Gov法令検索「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(令和7年法律第53号) |
| 6 | 総務省『令和5年版 情報通信白書』第1部 第1節「生成AIを巡る動向」 |



