「AIって、実際にどこで使われているの?」「自分の仕事でも使えるの?」。AIのニュースを見て、そう感じた方は多いのではないでしょうか。
AI活用事例とは、AIを生活や仕事の中で実際に使っている具体例のことです。スマートフォンの顔認証や地図アプリの到着時刻の予測のような身近な例から、書類の下書き、問い合わせへの回答、製品の検査、売れ行きの予測まで、AIはすでに多くの場面で使われています。総務省の「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月公表)によると、生成AIを使ったことがある人は58.8%、業務で生成AIを使っている企業は86.4%でした(企業の割合は「わからない」と答えた企業を除いて計算した値)。
この記事では、会社・団体の発表や官公庁の資料で確かめられた76件の事例を、身近な例・仕事別・業界別・会社の規模別に分けて紹介します。各事例には、元の発表ページへのリンクを付けています。
この記事で分かること
- 毎日使っている身近なAIと、意外で面白い使い方
- 事務・営業・顧客対応・人事・開発など、仕事ごとのAIの使い方
- 製造・医療・金融・小売・自治体・農業など、業界ごとの例
- 大企業・中小企業・小さなお店での使い方の違い
- 事例から分かる共通点と、始めるときの注意点
情報は2026年9月時点のものです。AIのサービスや各社の取り組みは変わりやすいため、使う前には元の発表ページで最新の情報を確かめてください。
AI活用事例とは?日本のAI活用の今と、事例の見方

事例を読む前に、「AI活用事例」という言葉の意味と、AIでできることの種類、日本でどのくらい使われているかを整理します。ここを押さえると、このあとの事例が「自分にも関係があるか」を判断しやすくなります。
AI活用事例とは:AIを生活や仕事の中で使っている具体例
AI活用事例の意味
AI(人工知能)とは、たくさんのデータからきまりを見つけて、見分ける・予測する・文章を作るといった作業をコンピューターにさせる仕組みのことです。
AI活用事例は、そのAIを「何のために」「どのように」使い、「どうなったか」が分かる具体例を指します。会社がAIのサービスを取り入れた例だけでなく、スマートフォンのように私たちが毎日使っている製品の中のAIも含みます。
「導入事例」「開発事例」との違い
似た言葉に「導入事例」と「開発事例」があります。はっきりした決まりはありませんが、一般的には次のように使い分けられています。
| 言葉 | 主に指していること | 例 | 向いている読み手 |
|---|---|---|---|
| 活用事例 | AIを生活や仕事で使っている様子の全体。既製のサービスを使う場合も、自社で作った場合も含む | 社員が生成AIで議事録の下書きを作る | AIで何ができるかを広く知りたい人 |
| 導入事例 | 会社や自治体がAIのサービス・仕組みを取り入れた経緯と結果 | 全社員が使えるAIアシスタントを入れて、作業時間を減らした | 自分の組織で取り入れる手順を知りたい人 |
| 開発事例 | 自社の課題に合わせて、AIの仕組みを作った例 | 検査の画像を学ばせて、不良品を見分けるAIを作った | 自社専用のAIを作るかを考えている人 |
この記事では、いちばん広い「活用事例」を扱います。既製のサービスを使う例を中心に、自社で作った仕組みを使っている例も紹介します。
AIを作って業務に組み込んだ事例はAI開発事例100選(17業種)に、生成AIに絞った事例は生成AIの活用事例33選にまとめています。
AIでできる6つのこと
AIの使い方はたくさんありますが、AIが実際にしている作業は、おおむね次の6つに分けられます。同じ「できること」が、生活の中でも仕事の中でも使われています。
| できること | AIがしていること | 身近な例 | 仕事の例 | この記事の件数 |
|---|---|---|---|---|
| 見分ける(画像認識) | 写真や映像から、何が写っているかを判断する | 顔認証、写真の自動整理 | 製品の傷の検査、紙の書類の文字の読み取り | 10件 |
| 聞き取る(音声) | 話した言葉を文字にしたり、声で答えたりする | 音声アシスタント、声での検索 | 通話の文字起こし、電話の自動応答 | 2件 |
| 予測する | 過去のデータから、この先の数字や起こりそうなことを見積もる | 地図の到着時刻、おすすめ表示 | 売れ行き・来客数の予測、設備の故障の予兆 | 7件 |
| 言葉を扱う | 文章の意味をくみ取り、分類・要約・翻訳する | 翻訳アプリ、迷惑メールの振り分け | 問い合わせの分類、書類の確認 | 7件 |
| 作る(生成AI) | 指示に合わせて、文章・画像・プログラムを新しく作る | 対話型AIでの文章の下書き | 提案書や広告文の下書き、プログラムの作成 | 48件 |
| 最適化する | たくさんの組み合わせから、よい順番や配分を選ぶ | タクシーの配車 | 配送ルート、勤務シフトの作成 | 2件 |
件数は、この記事で紹介する事例を筆者が主なAIの種類で分けて数えたものです。1つの事例で複数の種類を組み合わせていることも多く、その場合は中心になっている種類で数えました。
生成AIと従来のAIの違い
最近「AI活用」と言うと、ChatGPTやGemini、Claude、Copilotのような生成AIを思い浮かべる方が多いかもしれません。ただ、AIの事例には生成AIではないものもたくさんあります。
- 従来のAI:決まった仕事のために、その仕事のデータで学ばせます。「傷あり/傷なし」「来週は120個売れる」のように、答えの形が決まっています。顔認証や需要予測はこちらです。
- 生成AI:大量の文章や画像で学んだAIで、指示(プロンプト)に合わせて新しい文章や画像を作ります。いろいろな仕事に使える一方、もっともらしい誤りを含むことがあるため、人の確認が欠かせません。
この記事の事例では、どちらのAIかが分かるように「AIの種類」の欄を設けています。
データで見る日本のAI活用(2026年の調査から)
「周りの会社は、本当にAIを使っているのだろうか」と気になる方のために、2026年に公表された主な調査の数字をまとめました。
| 調べた相手 | 数字 | 調査の時期・対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 個人(日本) | 生成AIを使ったことがある人は58.8%。20歳以上に限ると52.2%で、前の年度の調査(20歳以上)の26.7%から大きく増えた | 2025年度の調査。今回から15〜19歳も対象 | 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月) |
| 個人(海外) | 同じ質問で、米国75.6%、ドイツ75.6%、中国93.6% | 2025年度の調査 | 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月) |
| 企業(日本) | 何らかの業務で生成AIを使っている企業は86.4% | 「わからない」と答えた企業を除いて計算 | 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月) |
| 企業(日本) | 生成AIを業務で活用している企業は34.5%。そのうち86.7%が「業務への効果が出ている」と回答 | 2026年3月の調査。有効回答1万312社 | 帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年5月) |
| 中小企業 | 省力化のための投資として、AIの活用に取り組んだ事業者は約3割 | 生成AIに限らない | 中小企業庁「2026年版 中小企業白書」(2026年4月) |
| 中小企業 | AIを導入している企業は20.4%。導入した企業の82.6%が生成AIを利用 | 回答1,647社 | 中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月) |
| 自治体 | 生成AIを導入済み:都道府県・政令指定都市は100%、その他の市区町村は45.6% | 2025年10月31日時点 | 総務省「自治体における生成AIの導入状況」(2026年4月) |
数字に幅があるのは、調査によって聞き方と対象が違うためです。たとえば情報通信白書の86.4%は「何らかの業務で生成AIを使っている」企業の割合で、「わからない」と答えた企業を除いて計算しています。帝国データバンクの34.5%は、全国の企業に生成AIを業務で「活用している」かを聞いた割合で、規模別では大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%と、規模が小さいほど低くなっています。数字どうしを直接比べるのではなく、「個人も企業も、ここ1〜2年で使う人が大きく増えた」「中小企業では、まだ使っていない会社のほうが多い」という傾向として読むのがおすすめです。
中小企業白書では、AIを業務で使っていない理由として「活用する業務がイメージできていない」という答えがいちばん多くなっています(2026年版 中小企業白書による)。この記事の事例は、まさにその「イメージ」をつかむための材料として使ってください。
この記事の事例の選び方と読み方
この記事では、次の基準で事例を選びました。
- 会社・団体の発表、または官公庁の資料で確かめられること(2026年9月に元のページを開いて確認)
- 何に使い、どうなったかが分かること
- 発表の時期、または筆者が確認した時期が分かること
事例は、次の形でそろえています。
- 困っていたこと:AIを使う前の課題
- 使ったもの:使ったサービスや仕組み
- AIの種類:上の表の6つのどれか(筆者の分類)
- 成果:公表された結果。数字が「実際に測った結果(実績)」か「試算・見込み」かが分かるように書いています
- 公表ページ:元の発表や資料へのリンクと、その時期
各事例の最後の「ここがポイント」は、その事例から読み取れることを筆者がまとめたものです。身近な例は、会社の課題ではなく製品の機能なので、「使われている場面」「AIがしていること」の形で紹介します。
身近なAI活用事例:毎日使っている「これもAI」と、面白い例

AIは、特別な会社だけのものではありません。スマートフォンや家電、買い物や移動のサービスの中で、多くの人がすでに毎日使っています。ここでは、提供している会社が「AI(機械学習)を使っている」と公式に説明している例だけを紹介します。
スマホと家の中のAI活用事例
Apple:iPhoneの顔認証「Face ID」は機械学習で持ち主を見分ける
- 使われている場面:iPhoneのロックを外すとき、画面を見るだけで持ち主かどうかを確かめます。
- AIがしていること:カメラが顔に目に見えない光の点を当てて立体の形を読み取り、登録した顔と照らし合わせます。メガネやひげなど見た目の変化にも、機械学習で合わせていきます。
- AIの種類:画像認識
- 公表されている数字:他人がFace IDでロックを解除できてしまう確率は100万分の1未満(容姿を1つだけ登録している場合。Appleの説明による)
- 公表ページ:Appleのサポートページ「Face IDの高度なテクノロジーについて」(2026年9月確認)、Appleの発表(2017年9月、Face IDを初めて載せたiPhone X)
ここがポイント:顔認証は「見分けるAI」のいちばん身近な例です。同じ仕組みが、工場では製品の傷の検査にも使われています。
三菱電機:エアコン「霧ヶ峰」は、部屋の温まり方をAIが先読みする
- 使われている場面:部屋ごとに温まりやすさや冷えやすさが違っても、ちょうどよい温度に保ちます。
- AIがしていること:センサーで部屋の温度や人の体感温度を測り、AIが部屋ごとのクセを学んで、室温の変わり方を先読みして運転します。
- AIの種類:予測
- 公表ページ:三菱電機「霧ヶ峰」の製品サイト(2026年9月確認)
ここがポイント:AIは「今」ではなく「少し先」を見て動くのが得意です。家電では、設定を細かく変えなくても快適に保つ形で使われています。
日立:洗濯機が、汚れの量や布の質を見て洗い方を決める
- 使われている場面:洗濯物の量や汚れ方が毎回違っても、洗い方や時間を自分で決めずに済みます。
- AIがしていること:いくつものセンサーで洗剤の種類、布の質、汚れの量などを調べ、AIが洗い方と時間を自動で決めます(日立の「AIお洗濯」)。
- AIの種類:最適化
- 公表ページ:日立の家電品「AIお洗濯について知りたいです。」(よくある質問、2026年9月確認)
ここがポイント:人が毎回判断していた「どのくらい」を、センサーの情報からAIが決める例です。仕事でも、配合や設定を決める作業に同じ考え方が使われています。
Google:スマホの写真を、話しかけるだけで直せる
- 使われている場面:写真に写り込んだ車を消したい、古い写真をきれいにしたい、といったときに使います。
- AIがしていること:Googleフォトで「背景の車を消して」のように話しかけると、生成AIのGeminiが言葉の意図をくみ取って写真を直します。2026年1月から、日本向けにAndroid端末で順に提供が始まりました。
- AIの種類:生成AI
- 公表ページ:Google Japan Blog「Google フォトに Gemini を活用した新機能が登場」(2026年1月)
ここがポイント:操作を覚えなくても、ふだんの言葉で指示できるのが生成AIの強みです。仕事の道具でも、この「言葉で頼む」使い方が広がっています。
買い物・移動・エンタメのAI活用事例
GO:タクシーの予約を、AIの需要予測で受けやすくする
- 使われている場面:タクシーアプリ「GO」で、日時を指定してタクシーを頼むときに使います。
- AIがしていること:AIがその時間に空いていそうな車の数を予測し、受けられる予約の数を決めます。これまでは人の手で予約を管理していたため、受けられる数に限りがありました。
- AIの種類:予測
- 公表されている数字:AIの需要予測を使うことで、従来の10倍以上の依頼に対応できるようになったと説明しています
- 公表ページ:GOの「AI予約」の紹介ページ(2026年9月確認)
ここがポイント:「どのくらい需要があるか」を予測できると、受けられる数を増やせます。飲食店の仕込みや、お店の発注でも同じ考え方が使われています。
ウェザーニューズ:台風の進路予報と、1km四方の細かな天気予報にAI
- 使われている場面:天気予報アプリなどで、台風の進路や、住んでいる場所の細かな天気を知りたいときに使います。
- AIがしていること:AIの予測と予報士の知識を組み合わせて、台風の進路を予報します。ふだんの予報でも、AIが元の予報データを1km四方まで細かくし、データのクセを直しています。
- AIの種類:予測
- 公表されている数字:2025年の台風の進路予測を同社・気象庁・米軍の3者で比べたところ、同社が最も高い精度だったと説明しています(同社による比較)
- 公表ページ:ウェザーニューズのブログ「2025年 台風進路予測で精度No.1を達成」(2026年4月)、同社のブログ「AIを用いた独自のダウンスケーリング技術で高精細な1km四方の予報を作成」(2025年9月)
ここがポイント:AIに任せきりではなく、AIの予測と人の専門知識を組み合わせている点が大切です。比較は同社自身によるものなので、数字はその前提で読みましょう。
Amazon:おすすめ商品の表示と、生成AIの買い物相談「Rufus」
- 使われている場面:ネット通販で、たくさんの商品から自分に合うものを探すときに使います。
- AIがしていること:一人ひとりに合わせたおすすめ商品の表示にAIを使っています。生成AIの買い物アシスタント「Rufus(ルーファス)」は、目的を伝えると質問に答えながら商品を案内します。2024年11月に日本のすべての利用者が使えるようになりました。
- AIの種類:生成AI
- 公表ページ:Amazonの発表「Rufus、日本のすべてのお客様が利用可能に」(2024年11月)
ここがポイント:「おすすめ表示」は予測するAI、「買い物相談」は生成AIです。1つのサービスの中で、種類の違うAIが組み合わされています。
東京メトロ:電車の混み具合を、カメラとAIで号車ごとに測る
- 使われている場面:乗る前に、どの電車のどの号車が混んでいるかを確かめたいときに使います。
- AIがしていること:駅に置いたカメラ(奥行きを測れる「デプスカメラ」)の映像をAIが分析し、発車した電車の混み具合を号車ごとに出します。結果はウェブサービス「Metro CrowdNavi」などで見られます。
- AIの種類:画像認識
- 公表されている数字:混雑率を号車ごとに1%刻みで出し、AIの精度は決定係数(予測がどれだけ当たっているかを表す値。1に近いほどよい)で約0.97
- 公表ページ:東京メトロ「Metro CrowdNavi」(2026年9月確認)、Tokyo Metro TECH-SOLUTIONS「列車混雑計測システム」(2026年9月確認)
ここがポイント:人の手で行っていた混雑の調査を、カメラとAIで自動にした例です。調べる手間が減るだけでなく、利用者への案内にも使えるようになりました。
意外で面白いAI活用事例
第一興商:カラオケの採点で、歌声の「聴き心地」をAIが点数にする
- 使われている場面:カラオケの採点で、音程やテクニックだけでなく、人が聴いて「うまい」と感じるかを点数に表します。
- AIがしていること:カラオケ「LIVE DAM WAO!」の「精密採点Ai Heart」では、AIが歌声の聴き心地に関わる要素を取り出して点数にします。
- AIの種類:音声
- 公表ページ:カラオケDAM公式「精密採点 Ai Heartの何がスゴイのか?」(2026年9月確認)、第一興商「LIVE DAM WAO!」製品ページ(2025年4月18日発売)
ここがポイント:数字にしにくい「感じ方」を、AIで点数にした例です。仕事でも、熟練者の判断をAIで数値にする取り組みがあります。
伊藤園:テレビCMに、AIで作ったタレントを起用
- 使われている場面:「お~いお茶 カテキン緑茶」のテレビCMで、今の自分と約30年後の自分を、同じ人に見えるように描きました。
- AIがしていること:AIで作った人物(AIタレント)を、CMの出演者として使っています。
- AIの種類:生成AI
- 公表ページ:伊藤園の発表「AIタレントを起用した『お~いお茶 カテキン緑茶』のTV-CM第二弾」(2024年3月)
ここがポイント:同社は、AIタレントをテレビCMに起用したのは日本で初めてと説明しています。広告の分野では、写真や人物をAIで作る使い方が広がっています。
手塚プロダクション:AIと人で「ブラック・ジャック」の新作を作る
- 使われている場面:漫画の新作づくりで、AIを作り手の相手役として使いました。
- AIがしていること:「ブラック・ジャック」を学んだAIと作り手がやりとりしながら新作を作りました。作品は2023年11月22日発売の「週刊少年チャンピオン」に載りました。
- AIの種類:生成AI
- 公表ページ:手塚治虫公式サイト「AI×ヒト で挑む、TEZUKA2023『ブラック・ジャック』新作」(2023年11月)
ここがポイント:AIが一人で作ったのではなく、人とのやりとりで作品にした点が特徴です。「AIは下書き、人が仕上げる」形は、多くの仕事の事例と共通しています。
ソフトバンク:手話を、AIがその場で文字にする「SureTalk」
- 使われている場面:窓口などで、手話を使う人と話す人が、通訳なしでやりとりするための道具です。
- AIがしていること:カメラの映像から、指先や腕、表情などを読み取り、手話を文字に変えます。話した声も文字にします。ソフトバンクと電気通信大学が共同で開発し、東京2025デフリンピックなどで実証を行っています。
- AIの種類:画像認識
- 公表ページ:ソフトバンクのブログ「手話をAIでリアルタイムに文字化」(2026年9月)
ここがポイント:AIが、人と人とのコミュニケーションの壁を低くする例です。同社はまだ開発・検証を続けている段階と説明しています。
身近な例には、「見分ける」「予測する」AIと、生成AIの両方があります。同じ仕組みが、仕事の場面では製品の検査や売れ行きの予測、文章の下書きに使われています。次は、仕事ごとの使い方を見ていきます。
業務別のAI活用事例:事務・営業・顧客対応・人事など6つの仕事

ここからは、仕事(職種)ごとの事例です。「自分の仕事でAIを使えるか」を知りたい方は、自分に近い仕事の節から読んでみてください。生成AIが広まったことで、文章を扱う仕事を中心に、専門の知識がなくても使える場面が増えています。
事務・経理・総務のAI活用事例
ADKホールディングス:請求書をAIで読み取り、年間約1万時間の作業を減らす
- 困っていたこと:広告業界に特有の複雑な請求書の処理に手間がかかり、決算の作業も遅れがちでした。
- 使ったもの:請求書をAIで読み取る「Robota」(ファーストアカウンティング)。経理部門が請求書を型ごとに分け、読み取り結果の手直しを続けて精度を上げました。
- AIの種類:画像認識
- 成果:月約5,000件の請求書のうち約4,000件で、目で見る確認が要らなくなりました。作業は年間約1万時間減りました(実績)。
- 公表ページ:ファーストアカウンティングの発表(2026年7月)
ここがポイント:AIの読み取りは、入れてすぐに完璧になるわけではありません。自社の書類に合わせて手直しを続けたことが、確認の手間を大きく減らすことにつながっています。
CAC Holdings:契約書の一次チェックをAIで行い、時間が約3分の2に
- 困っていたこと:少ない人数の法務担当で、M&Aや海外案件などの特殊な契約にも対応する必要があり、やり方が人に頼りがちでした。
- 使ったもの:AIの契約書レビューサービス「LegalOn」。自社の審査の基準(プレイブック)を登録し、契約書の一次チェックをAIで行っています。
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:プレイブックを使うことで、契約書のレビューの業務時間が従来の約3分の2になりました(実績)。
- 公表ページ:LegalOn Technologiesの導入事例(2026年3月掲載)
ここがポイント:AIに「自社の判断の基準」を覚えさせたことが要です。人に頼っていたチェックの観点をそろえることにもつながります。
デンソー:Copilotで会議の要約や翻訳を行い、月12時間の業務を減らす
- 困っていたこと:全社員の日々の仕事で、AIを使って効率を上げることを目指していました。
- 使ったもの:Microsoft 365 Copilot。Teamsの会議の要約や翻訳を中心に使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:月12時間の業務削減と、設計の品質の向上につながったと公表されています(実績。1人あたりの数字かどうかなど、範囲は書かれていません)。
- 公表ページ:日本マイクロソフトの発表(2024年12月)
ここがポイント:会議の要約と翻訳は、職種を問わず使える入り口です。ふだん使っている仕事の道具にAIが入ると、特別な操作を覚えずに使い始められます。
PSソリューションズ:社内規程の案を生成AIで作り、作業時間を62%減らす
- 困っていたこと:新しい社内ルール(レンタカーの利用規程)を一から作る必要があり、手作業だと8時間ほどかかる見込みでした。
- 使ったもの:生成AI。総務課が一般的な規程の考え方を調べさせ、それをもとに自社向けの案を作り、人が実際の業務に合わせて直しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:規程づくりの作業時間が、想定の8時間から3時間になりました(62%減)。もとの8時間は手作業で行った場合の見込みです(試算)。
- 公表ページ:PSソリューションズの発表(2025年9月)、同社の連載記事
ここがポイント:「ひな形づくり」はAIの得意な仕事です。ただし社内規程は会社ごとに事情が違うため、人が必ず中身を確かめて直しています。
営業・マーケティングのAI活用事例
TOPPAN:商談の振り返りをAIに任せ、育成の時間を月24時間から1時間に
- 困っていたこと:商談が増え、記録や振り返りが追いつきませんでした。マネージャーは部下の商談に同席したり録画を見返したりして指導し、多くの時間を使っていました。
- 使ったもの:商談や会議を録画し、文字起こしと要約を自動で行う「ailead」。AIが商談の進め方に助言し、部下が自分で振り返れるようにしました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:マネージャーの育成・指導の時間が、月約24時間から月1時間になりました(実績)。
- 公表ページ:aileadの導入事例(2026年3月)、同社の発表(2026年4月)
ここがポイント:AIが減らしたのは、営業担当本人の時間だけではありません。教える側の時間も大きく減っています。
サン・ホーム:商談の会話をAIで分析し、新築外構の成約率が25%から87.5%に
- 困っていたこと:トップセールスの話し方やコツが本人の感覚にとどまり、若手や他の店舗にうまく伝えられませんでした(宮崎県の外構・エクステリアの会社)。
- 使ったもの:商談の会話を録音してAIで分析する「Front Agent」。成約した商談に共通する話し方を見える化し、社内の研修に使いました。
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:新築外構の成約率が25%から87.5%に上がりました(実績。どの範囲・何件の商談での率かは書かれていません)。
- 公表ページ:Umee Technologiesの導入事例(2026年5月)、同社の発表(2026年6月)
ここがポイント:AIで「できる人のやり方」を言葉にして共有した、中小企業の例です。成約率の数字は条件が書かれていないため、傾向として読みましょう。
ネットプロテクションズ:議事録の自動化で月200〜400時間減
- 困っていたこと:商談後の議事録づくりに1件約30分かかり、大事な商談ほど記録が残りにくくなっていました。
- 使ったもの:商談の議事録を自動で作り、顧客管理の仕組み(Salesforce)に入力する「bellSalesAI」(ベルフェイス)
- AIの種類:生成AI
- 成果:議事録づくりが1件約30分から数秒になり、営業の作業は月200〜400時間減りました(実績)。
- 公表ページ:ベルフェイスの活用事例(2026年5月)
ここがポイント:記録が自動で残ると、作業が減るだけでなく、商談の中身を社内で活かしやすくなります。
ワールド:通販の商品説明文を生成AIで作り、作成時間を20分から約3分に
- 困っていたこと:60以上のブランドを扱う通販サイトで、商品ごとに説明文を用意する必要がありました。
- 使ったもの:ファッション業界向けの生成AI「Maison AI」。通販の商品説明文やSNSの投稿文づくりに使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:通販の商品説明文を作る時間が20分から約3分になりました(実績。1点あたりかどうかなど、条件は書かれていません)。
- 公表ページ:OpenFashionの発表(2025年5月)、ワールドのニュースリリース(2025年5月)
ここがポイント:商品の数が多いお店ほど、説明文の下書きをAIに任せる効果が大きくなります。
サイバーエージェント:広告の文章や画像をAIで作り、制作の効率が5倍以上に
- 困っていたこと:ネット広告では、たくさんの広告を作って配信し、改善し続ける必要があり、人の手だけでは追いつきません。
- 使ったもの:広告の効果を予測し、文章や画像を自動で作る自社開発の「極予測」シリーズ。予測した効果が今の広告を上回るものを配信します。
- AIの種類:生成AI
- 成果:広告制作の効率が従来の5倍以上になったと公表しています(実績。比べた条件は書かれていません)。
- 公表ページ:サイバーエージェント「AIクリエイティブ」(2026年9月確認)、総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月)
ここがポイント:「作るAI」と「効果を予測するAI」を組み合わせている点が特徴です。作った広告をすべて使うのではなく、予測で選んでから出しています。
カスタマーサポート・コールセンターのAI活用事例
ミサワホーム:通話の内容を生成AIで要約し、記録の作業を1件約4分30秒短く
- 困っていたこと:電話を受けたあと、オペレーターが話の内容を手で要約して記録しており、この作業が重く、人手不足も深まっていました。
- 使ったもの:通話の内容を生成AIが要約する仕組みを、2025年10月からコンタクトセンターに入れました。要約の出来を見ながら、AIへの指示文を直し続けています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:通話後の記録の作業が1件あたり約4分30秒短くなりました(実績)。
- 公表ページ:ミサワホームの発表(2026年5月)
ここがポイント:AIへの指示文(プロンプト)を入れて終わりにせず、使いながら直し続けている点が大切です。
ファンケル:AIチャットで自己解決の割合が約30%向上
- 困っていたこと:それまでのチャットボットは、あいまいな言い方や長い質問に答えるのが苦手でした。商品が多く、中身の更新にも手間がかかっていました。
- 使ったもの:モビルスの「MOBI BOT GenAI」の、意味で探す検索機能。自由な文章で聞かれても、登録してあるよくある質問(FAQ)から合う答えを出します。
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:それまでのチャットボットと比べて、お客さまが自分で解決できた割合が約30%上がりました。中身を更新する作業も1回1週間から1時間になりました(実績)。
- 公表ページ:モビルスの発表(2026年9月)
ここがポイント:AIが自由に答えを作るのではなく、会社が用意した答えの中から選ぶ形です。答えの正しさを保ちやすい使い方です。
SOLIA:AIで探せるFAQを通販サイトに入れ、問い合わせを40%減らす
- 困っていたこと:通販サイトに、使い方や住所の変更など、調べれば分かる問い合わせが多く届いていました。
- 使ったもの:お客さまの言葉から聞きたいことをくみ取って答えを探す「Helpfeel」の検索型AI-FAQを、通販サイトに入れました。
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:問い合わせの数が40%(1,200件以上)減りました。注文数に対する問い合わせの割合も、20%台から導入9か月後に12%台まで下がりました(実績)。
- 公表ページ:Helpfeelの発表(2025年7月)
ここがポイント:問い合わせに早く答えるだけでなく、「問い合わせる前に自分で解決できる」ようにした例です。
KINTO:通話を文字にして生成AIで要約し、後処理を1件約200秒短く
- 困っていたこと:クルマのサブスクリプションの利用が伸びて問い合わせが急に増え、応対ごとの記録の入力に時間がかかっていました。
- 使ったもの:通話をその場で文字にし、生成AIで要約するSalesforceの仕組み(導入はテラスカイが支援)。2024年10月に試し始め、2025年4月から本番で使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:通話後の処理が1件あたり約200秒短くなり、目標だった120秒の短縮を上回りました(実績)。
- 公表ページ:テラスカイの発表(2026年4月)
ここがポイント:試しの期間を経て本番に移り、目標と比べて効果を確かめている点が参考になります。
山陰合同銀行:チャットでの応対の記録を生成AIが自動で要約
- 困っていたこと:お客さまとの応対のあとに内容を要約して記録する作業が、オペレーターの大きな負担でした。
- 使ったもの:モビルスの有人チャットなどの仕組みとあわせて、生成AI「MooA」でチャットの会話を自動で要約・分類するようにしました(2025年3月から)。
- AIの種類:生成AI
- 成果:記録の作業は、AIの要約を確かめて行内のシステムに写すだけになりました(生成AIの要約だけの効果を表す数字は公表されていません)。
- 公表ページ:モビルスの発表(2026年6月)
ここがポイント:AIが要約し、人が確かめて記録する分担です。地方銀行でも、窓口の事務に生成AIが使われ始めています。
人事・採用・研修のAI活用事例
SmartHR:社内の問い合わせにAIが答え、問い合わせが約1割減る
- 困っていたこと:従業員から人事・労務や総務への問い合わせが多く、担当者の手間になっていました。
- 使ったもの:自社の「AIアシスタント」を社内で試しました。社内の規程などの文書を読み込ませ、従業員の質問にAIが答えます(2025年8月から1か月の実証)。
- AIの種類:生成AI
- 成果:問い合わせが全体で約10%、総務・情報システムの担当では約20%減りました。答えられた割合(回答成功率)は82%でした(1か月の実証での実績)。
- 公表ページ:SmartHRのコラム(2025年11月)
ここがポイント:「規程のどこに書いてあるか」を聞く問い合わせは、社内の文書を読み込ませたAIが得意な仕事です。
三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ:面接の時間を40%減らす
- 困っていたこと:公平にするため面接官2人で面接しており、記録と評価のすり合わせに時間がかかっていました。
- 使ったもの:採用向けのAIツール「JAPAN AI HR」。面接の議事録と評価の下書きをAIが作り、最後の判断は面接官がします。
- AIの種類:生成AI
- 成果:面接1回あたりにかかる時間が40%減りました(実績)。
- 公表ページ:JAPAN AIの導入事例(2026年7月)
ここがポイント:採用のように人の判断が大切な仕事でも、記録や下書きはAIに任せられます。決めるのは人、という線引きがはっきりしています。
オリックス生命:研修でAIが客役、教える側の負担4割減の見込み
- 困っていたこと:コールセンターの新入社員研修は約2か月あり、ベテラン社員が客役や指導を担っていました。
- 使ったもの:エクサウィザーズの「exaBase ロープレ」。AIのアバターを客役にして電話応対の練習をし、AIが採点して改善点を返します。
- AIの種類:生成AI
- 成果:教える役のベテラン社員の負担を4割減らせると見込んでいます(見込み)。
- 公表ページ:エクサウィザーズの発表(2025年5月)
ここがポイント:AIを「練習相手」に使う例です。何度でも同じ条件で練習でき、教える側の時間も空けられます。
エン:一次面接をAI面接に置き換え、採用の手間が半分以下に
- 困っていたこと:契約社員の採用の依頼が急に増え、採用の質と人数を保ちながら手間を減らす必要がありました。
- 使ったもの:「PeopleX AI面接」。人事が行っていた一次面接を、AIとの対話による面接に置き換えました。候補者はいつでも受けられます。
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:採用の仕事全体の手間が半分以下になったという実感があるとのことです(担当者の話)。アシスタントが1日約100分かけていた日程調整がなくなり、2人体制が1人になりました(実績)。
- 公表ページ:PeopleXの導入事例(2026年8月)
ここがポイント:候補者にとっても「時間を選ばず受けられる」利点があります。一方で、AIが面接することを候補者にどう伝えるかも大切です。
ヒューマンリソシア:求人広告の文をAIで作り、年4,800時間減の見込み
- 困っていたこと:派遣スタッフの募集で求人広告の文を月4,000件書いており、1件約20分、年16,000時間かかっていました。
- 使ったもの:AIエージェントの基盤「つなぎAI Powered by Dify」で広告文を自動で作り、決まった作業はRPA(パソコン作業を自動にする道具)で自動にしました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:AIとRPAを合わせて、年4,800時間分の作業が減る見込みです(見込み)。
- 公表ページ:ヒューマンホールディングスの発表(2026年1月)
ここがポイント:AIだけでなく、決まった手順を自動にする道具と組み合わせています。文章づくりと入力作業を分けて考えると、効果を出しやすくなります。
企画・研究・ソフトウェア開発のAI活用事例
日立製作所:AIでプログラムを書く生産性が平均10〜20%向上
- 困っていたこと:システム開発の生産性を上げる必要がありました。
- 使ったもの:プログラムの候補を出すAI「GitHub Copilot」。社内で募った開発者が数か月使い、効果を調べました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:プログラムを書く作業と、その動作を確かめる試験で、生産性が平均10〜20%、場合によっては30%上がったと説明しています(実績)。
- 公表ページ:日本マイクロソフトの導入事例(2025年3月)
ここがポイント:効果を「平均」と「うまくいった場合」に分けて示している点が参考になります。AIの効果は、仕事の中身によって差が出ます。
東芝テック:AIが出したプログラムの採用率が35.8%に
- 困っていたこと:新しい事業を広げる中でソフトウェア開発の比重が高まり、開発の生産性をどう上げるかが大きな課題でした。
- 使ったもの:4つのツールを比べて「GitHub Copilot」を選び、関係会社も含めた開発者が実際の開発で試しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:AIが出したプログラムを採用した割合が、試し始めて3か月後の2024年2月の26.5%から、2024年7月には35.8%に上がりました(実績)。
- 公表ページ:日本マイクロソフトの導入事例(2024年12月)
ここがポイント:使う人が慣れるほど、AIの出力を活かせる割合が上がっています。効果は入れた直後ではなく、しばらく使ってから判断するのがおすすめです。
塩野義製薬:臨床試験の解析プログラムをAIで半自動にし、作業時間を約30%減らす
- 困っていたこと:臨床試験(薬の効き目や安全性を確かめる試験)のたびに、解析用のプログラムを新しく作る必要があり、1つの試験で数百時間かかっていました。
- 使ったもの:機械学習を使って統計解析のプログラムを自動で作る、自社開発のシステム「AI-SAS」
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:1つの試験で350時間かかっていた標準の解析時間を、約30%短くしました(実績)。
- 公表ページ:経済産業省「DX銘柄2026」選定企業レポート(2026年6月)、SASの導入事例
ここがポイント:毎回くり返す「決まった形の作業」をAIに任せた例です。時間が減るだけでなく、出来上がりの品質をそろえる効果もあったとしています。
味の素冷凍食品:レシピの開発にも生成AIを使い、1時間の作業が3分で終わる例も
- 困っていたこと:生成AIを安全な環境で使いたいと考えていました。また、表計算ソフトを動かすプログラム(VBA)の修正が、特定の人にしかできませんでした。
- 使ったもの:ChatGPTなどを社内で安全に使えるサービス「ChatSense」(ナレッジセンス)を全社に入れました。研究開発の部署を中心に、レシピの開発や評価結果の分析などに使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:特定の人しか直せなかったVBAの修正が楽になり、1時間かかっていた作業が3分で終わった例が出ています(実績)。
- 公表ページ:ナレッジセンスの発表(2024年10月)、ChatSenseの導入事例
ここがポイント:「特定の人しかできない仕事」をAIの助けで他の人もできるようにした点が大切です。人に頼る仕事を減らすことにもつながります。
社内の問い合わせ・知識の共有のAI活用事例
百五銀行:マニュアル検索に生成AI、年1万5,000時間減の見込み
- 困っていたこと:事務の手続きを確かめる問い合わせが本店と支店の間で多く、行員の時間を使っていました。
- 使ったもの:文書を管理する仕組みに生成AI「neoAI Chat」を組み合わせ、ふつうの文章で聞くと、手続きの要約と、元のマニュアルの該当箇所が出るようにしました。2026年4月1日から使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:本店と支店の間の問い合わせを減らし、年間15,000時間の業務を減らす見込みです(見込み)。
- 公表ページ:百五銀行の発表(2026年4月)
ここがポイント:AIの答えと一緒に「元のマニュアルのどこか」を示す形にしています。答えを確かめやすくする工夫です。
商船三井ロジスティクス:操作手順書をAIで引き、正確さ88%
- 困っていたこと:物流管理のシステムの操作が難しく、新人1人に約2か月、ベテランが対面で教えていました。
- 使ったもの:社内の文書をもとに答えるAI「OfficeBot」(ネオス)に、操作手順書約100件とよくある質問集を入れました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:約960回の質問で、答えの正確さは88%でした。役に立つ知識を得られたのは約850回でした(実績)。
- 公表ページ:ネオスの導入事例(2025年6月)
ここがポイント:「正確さ88%」のように、AIの答えがどのくらい正しいかを測っている点が参考になります。残りの答えを人がどう補うかも、あわせて決めておきたいところです。
OBC:サポート担当が過去の事例を探すAIを自社で作り直し、運用の費用が約半分に
- 困っていたこと:電話が中心のサポートセンターで、お客さまに答えるときに社内の過去の事例や知識を探しにくくなっていました。外部のAIサービスを使っていましたが、運用の費用が高くかかっていました。
- 使ったもの:Microsoftの「Copilot Studio」で、担当者に必要な情報を示すAIを自社で作り直しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:前に使っていた道具と比べて、運用の費用が約半分になりました(実績)。
- 公表ページ:日本マイクロソフトの導入事例(2026年4月)
ここがポイント:最初は外部のサービスで始め、使い方が分かってから自社で作り直した例です。「まず試す、合えば作る」という順番は、多くの事例で共通しています。
スクウェア・エニックス:自社のゲーム開発の道具についての質問に、AIが答える
- 困っていたこと:自社のゲーム開発の道具(ゲームエンジン)は機能が多く、資料は6,000ページを超えます。ほかの部門の開発者から毎日たくさんの質問が届き、担当者の負担が増えていました。
- 使ったもの:生成AIと社内のチャットツールをつなぎ、資料をもとに質問に答える仕組みを社内で作りました。2024年2月から使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:開発者が気軽に質問できるようになり、担当者の負担が減ったと説明しています(数字は公表されていません)。
- 公表ページ:日本マイクロソフトの導入事例(2025年1月)
ここがポイント:資料が多すぎて「どこに書いてあるか分からない」という悩みは、どの会社にもあります。社内の資料をもとに答えるAIが役に立つ典型的な場面です。
仕事ごとの使い方を、向いている場面と注意点でまとめると次のようになります。
| 仕事 | よくある使い方 | 向いている場面 | 注意点 | この記事の主な事例 |
|---|---|---|---|---|
| 事務・経理・総務 | 請求書などの読み取り(AI-OCR)、議事録や規程の下書き、契約書の一次チェック | 紙の書類や、決まった形の文書が多い | 数字や条文は人が最後に確かめる | ADKホールディングス、CAC Holdings |
| 営業・マーケティング | 商談の記録と振り返り、商品説明文や広告の作成 | 記録や資料づくりに時間を取られている。商品の数が多い | お客さまの情報の扱いを決める。広告は表現や権利を確かめる | TOPPAN、ワールド |
| カスタマーサポート | 通話の要約、FAQの検索、声での自動応答 | 問い合わせの件数が多い | 答えを登録済みの内容から選ぶ形にすると、誤りを減らせる | ミサワホーム、ファンケル |
| 人事・採用・研修 | 面接の記録、求人広告の文、研修の練習相手 | 決まった形の文書や、くり返しの練習が多い | 最終判断は人が行う。候補者への説明も大切 | 三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ、オリックス生命 |
| 企画・研究・開発 | プログラムの作成、解析、資料づくり | 決まった形の作業をくり返す | 出力の品質を人が確かめる。効果は慣れてから測る | 日立製作所、塩野義製薬 |
| 社内の問い合わせ・知識の共有 | 規程やマニュアルをもとに答えるAI | 同じ質問が何度も届く。資料が多すぎて探せない | 元の資料の場所を示し、答えを確かめられるようにする | 百五銀行、商船三井ロジスティクス |
業界別のAI活用事例:製造・医療・金融・小売・自治体・農業

ここでは、業界ごとの代表的な使い方を、実際の事例とあわせて紹介します。自分の業界の節から読んでも、ほかの業界の使い方をヒントにしても構いません。
製造・建設・物流のAI活用事例
花王:工場の伝票の入力をAI-OCRに任せ、作業を約74%減らす
- 困っていたこと:工場と物流センターの間で使う伝票を、人が管理システムに手で入力していました。ある工場ではこの入力に月200時間かかり、入力のミスも起きていました。
- 使ったもの:紙の伝票を読み取ってデータにするAI-OCR(紙の文字を読むAI)「route-D AIデータ入力」。業務の流れもあわせて見直しました。
- AIの種類:画像認識
- 成果:ある工場で、伝票の入力の作業が月147時間、約74%減りました(実績)。
- 公表ページ:route-Dの発表(2026年6月)
ここがポイント:読み間違えそうな項目を色で示す機能を使い、人が確かめる場所を絞っています。AIと人の確認を組み合わせた、紙の書類の多い職場の典型的な使い方です。
松田電機工業所:AIロボットの荷下ろしで年5,856時間を減らす
- 困っていたこと:自動車部品の工場で、形や大きさの違う箱が混ざった荷物を人が手で下ろしており、1日に約25トンを持ち上げる重い作業でした。地方の工場では人の確保も難しくなっていました。
- 使ったもの:Mujinの荷下ろしロボット。3Dカメラが箱の位置や形を見分け、つかむ場所と動きをその場で計算します。
- AIの種類:画像認識
- 成果:対象の工程の作業人員が3人から0人になり、1日約5,000箱の荷下ろしをロボットが担っています。減らせた作業は年5,856時間です(実績)。
- 公表ページ:Mujinの発表(2026年9月)
ここがポイント:人手が集まりにくい地方の中小製造業の例です。重くて負担の大きい作業から先にAIとロボットに任せています。
西松建設:鉄筋の検査の撮影をAIのサービスで行い、半日の作業を30分以下に
- 困っていたこと:建物の鉄筋を確かめる検査で、写真の撮影と整理に職員が1人かかりきりになっていました。
- 使ったもの:360度の動画と建物の3Dデータ、AIを組み合わせたサービス「TOTTARROW」(ピクシーダストテクノロジーズ)。撮った動画から、検査の写真の書類づくりを支えます。
- AIの種類:画像認識
- 成果:半日ほどかかっていた1区画(約16m四方)の撮影が30分以下になりました。撮影から書類の整理までの手間は、現場の実感で50%以上減りました(実績)。
- 公表ページ:ピクシーダストテクノロジーズの発表(2026年8月)
ここがポイント:建設現場の「撮って、整理して、書類にする」作業は、AIで減らせる余地が大きい仕事です。数字の一部は現場の実感なので、その前提で読みましょう。
諏訪梱包運輸:AIの自動配車で、配車を組む時間を3時間から5分に
- 困っていたこと:長野県内の配送で、配車(どのトラックがどの順番で回るか)を人が組んでいました。件数の多い日は残業になり、ドライバーの帰る時間にも差が出ていました。
- 使ったもの:AIの自動配車システム「LYNA 自動配車クラウド」(ライナロジクス)。ボタンを押すと、翌日の配送の計画が組み上がります。
- AIの種類:最適化
- 成果:配車にかかる時間が3時間から5分になりました。8〜9割の日は手直しなしで使えています(実績)。
- 公表ページ:ライナロジクスの発表(2025年1月)、同社の導入事例
ここがポイント:たくさんの組み合わせから、よい順番を選ぶのは「最適化するAI」の得意な仕事です。人が組んでいた経験の勘を、AIが毎日同じ質で再現しています。
医療・介護のAI活用事例
医療・介護は、人の健康や命にかかわる分野です。ここで紹介するのは、書類づくりや見守りなど、医師・看護師・介護職員の仕事を支える使い方です。診断や治療の判断は医師が行うもので、AIはその補助にとどまります。健康について気になることがある場合は、医療機関に相談してください。
織田病院:退院時の看護サマリーを生成AIで作り、時間を54.2%減
- 困っていたこと:患者さんの退院のたびに、過去の看護記録をさかのぼってまとめ(看護サマリー)を書く必要があり、時間がかかっていました(佐賀県の病院)。
- 使ったもの:電子カルテとつながり、病院の中に置いて使う生成AI「OPTiM AI ホスピタル」(オプティム)。看護記録からまとめの下書きを作り、看護師が自分の言葉を足して仕上げます。
- AIの種類:生成AI
- 成果:2024年4月から10月までの導入で、退院時の看護サマリーを作る時間が54.2%減りました(実績)。
- 公表ページ:オプティムの導入事例(2025年10月)
ここがポイント:患者さんの情報を扱うため、病院の中に置いて使う形の生成AIを選んでいます。情報の守り方と使いやすさを両立させた例です。
武田病院グループ:会議の記録をAIで要約し、1症例10〜20分の作業を約3分に
- 困っていたこと:いろいろな職種が集まる会議(カンファレンス)の記録に、1症例あたり10〜20分かかっていました(京都府の病院グループ)。
- 使ったもの:看護部の日勤の職員にiPhoneを配り、医療機関向けの「ユビー生成AI」で会議の音声を文字にして要約しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:会議の記録の作業が1症例10〜20分から約3分になりました(実績)。
- 公表ページ:Ubieの成果事例(2026年3月)
ここがポイント:音声を文字にして要約するAIは、医療の現場でも「記録の時間」を減らす入り口になっています。空いた時間を患者さんと向き合う時間に回せます。
長野市民病院:生成AIでカルテの確認を早め、年5,472時間分の作業を減らす
- 困っていたこと:電子カルテの記録から必要な情報を探して確かめる作業に、医師や看護師の時間がかかっていました。
- 使ったもの:電子カルテとつながる生成AI「SecuAiGent」。ユニリタと共同で開発・検証しました。退院時のまとめの下書きや、チーム医療での情報集めに使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:退院時のまとめの下書きが1人平均10分から25秒になりました。よく使う職員111名の実績で、年間5,472時間分の効率化になりました(実績)。
- 公表ページ:ユニリタの発表(2026年4月)
ここがポイント:「よく使う職員」に絞った数字である点に注意が必要です。どの範囲の人の数字かを確かめると、事例を正しく読めます。
シンメー(老人ホーム「蔵」):AIカメラの見守りで、転倒事故を1割に減らす
- 困っていたこと:30床の施設で夜勤は1人だけで、転倒事故を防ぎ、夜勤者の負担を減らすことが急ぎの課題でした(愛知県の住宅型有料老人ホーム)。
- 使ったもの:AIを載せたカメラ型の見守りシステム「HitomeQ ケアサポート」(コニカミノルタ)。映像で入居者の様子を確かめられます。
- AIの種類:画像認識
- 成果:転倒事故が導入前の1割に減り、1日約4時間の業務を減らしました。導入1年後の続報では、年間の転倒事故が10件から1件になり、その後はゼロと説明しています(実績)。
- 公表ページ:コニカミノルタの導入事例(2025年7月)、同社の導入事例の続編
ここがポイント:小さな施設でも使える見守りの例です。カメラの映像を使うため、入居者や家族への説明と同意が欠かせません。
金融・保険のAI活用事例
紀陽銀行:AIで行内の知識を探し、年約4,400時間を減らす
- 困っていたこと:支店から本部への問い合わせが多く、業務の知識が一部のベテランに偏って、その人に質問が集中していました。
- 使ったもの:AIで知識を探せる「Helpfeel」。マニュアルやベテランの知識など約2,000件を集め、行員が自分で調べられるようにしました。
- AIの種類:言葉を扱うAI
- 成果:導入から10か月で問い合わせが11%減り、年間約4,400時間の問い合わせ対応が減りました(実績)。
- 公表ページ:Helpfeelの発表(2026年9月)
ここがポイント:ベテランの頭の中にあった知識を、みんなが引ける形にした例です。誤った答えを作らない仕組みを重視して選んだ点も参考になります。
七十七銀行:審査のAIで、住宅ローンの5割以上をその場で自動承認する見込み
- 困っていたこと:住宅ローンの審査では、融資してよいかを審査の担当者が1件ずつ判断していました。
- 使ったもの:三菱総合研究所の「審査AIサービス」。AIが案件ごとに承認してよい確率を出し、その値で自動承認か人の審査かを振り分けます。2025年1月27日から実際の業務で使い始めました。
- AIの種類:予測
- 成果:関連会社が扱う住宅ローンの案件の50%以上が、自動かつその場で承認と判定される見込みです(見込み)。
- 公表ページ:三菱総合研究所の発表(2025年1月)
ここがポイント:すべてをAIに任せるのではなく、AIが判断しやすい案件だけを自動にし、それ以外は人が審査する分担です。お金にかかわる判断での、慎重な使い方の例です。
三島信用金庫:職員からの商品の質問に生成AIが答え、電話の問い合わせが半分に
- 困っていたこと:本部の商品の担当者には、職員から商品についての電話の問い合わせが1日約30件来ていました。前のFAQの仕組みは更新が少なく、情報が古くなりがちでした。
- 使ったもの:生成AIのサービス「Alli LLM App Market」(Allganize)。金融商品の資料などを登録し、社内の質問にAIが答えます。
- AIの種類:生成AI
- 成果:1日約30件あった商品についての電話の問い合わせが、約半分に減りました(実績)。
- 公表ページ:Allganizeの導入事例(2025年7月)
ここがポイント:地域の金融機関でも、社内の問い合わせ対応から生成AIを使い始めています。簡単な確認の質問がほぼなくなったと説明しています。
ライフネット生命:社内用の生成AIを社員の87%が利用
- 困っていたこと:社員の生産性を上げることが課題でした。
- 使ったもの:社内用の生成AIを自社で作り、2024年7月から使っています。勉強会で使い方を広め、アイデア出しや調べもの、数式やプログラムの記述に使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:2025年1月時点で総合職の正社員の87%が使っています。2024年8月の社内調査では、回答者56名の合計で約152時間の業務時間が減りました(実績)。
- 公表ページ:ライフネット生命の発表(2025年4月)
ここがポイント:入れて終わりにせず、勉強会で使い方を広めたことが、高い利用率につながっています。
小売・飲食・観光のAI活用事例
バローHD:惣菜のAI発注で廃棄34%減・利益31%増
- 困っていたこと:弁当や惣菜は消費期限が短く、作りすぎると廃棄が出て、少ないと売り切れで欠品になっていました(岐阜県に本社があるスーパーのグループ)。
- 使ったもの:天気のデータや人の流れのデータを使うAIで売れる数を予測し、発注の数を自動で出す仕組み。2024年1月に試し、同じ年の11月に全店に広げました。
- AIの種類:予測
- 成果:導入後3か月で、廃棄が34%、欠品が9%減り、売上げが26%、利益が31%増えました(実績)。
- 公表ページ:農林水産省「令和7年度 食料・農業・農村白書」の事例(2026年5月)、農林水産省の資料
ここがポイント:食品ロスを減らすことと、売上げ・利益を増やすことを両立させた例です。「どれだけ売れるか」の予測は、作りすぎと売り切れの両方を減らします。
城崎温泉 但馬屋:返信文を生成AIで下書きし、手間が1人分減る
- 困っていたこと:メールの返信、海外のお客さまへの対応、口コミへの返信、マニュアルづくりなど文章の仕事が多く、経営者などの一部の人に集中していました(兵庫県の旅館)。
- 使ったもの:生成AI。国内外のメールや口コミの返信文を下書きし、内容の正しさを確かめてから従業員が返信する形にしました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:文章を作る手間が、体感で1人分減りました。代表者の事務作業の時間は、体感で半分になりました(施設の実感で、測った数字ではありません)。
- 公表ページ:観光庁「宿泊施設のためのIT活用事例集」(2026年3月)
ここがポイント:経営者の役割が「文章を作る」から「確かめて決める」に変わった、と説明しています。小さな宿でも、生成AIで仕事の分担を変えられる例です。
ホテル長崎:修学旅行の食物アレルギーへの対応を生成AIで支え、手間を60%減らす
- 困っていたこと:修学旅行など団体客の食物アレルギーへの対応が、料理長など一部の人の経験に頼っており、1つの団体の対応に3〜4営業日かかっていました。
- 使ったもの:ChatGPTに過去の対応の記録と料理の成分表を読み込ませ、代わりの料理の案を出させました。出た案は必ず人が確かめます(観光庁の実証)。
- AIの種類:生成AI
- 成果:1つの団体客に3〜4営業日かかっていたアレルギーへの対応で、60%の手間が減りました。料理長以外の従業員でも対応できるようになりました(実証での実績)。
- 公表ページ:観光庁「生成AIの効果的な活用に係る実証結果」(2025年3月)
ここがポイント:お客さまの健康にかかわる仕事なので、AIの案を人が必ず確かめる手順を組み込んでいます。ベテランの知識を、ほかの従業員も使える形にした例でもあります。
長崎県:生成AIが旅の計画を提案し、半年で1万2,000件以上のプランを作る
- 困っていたこと:県の観光サイトには情報がたくさんありますが、利用者が自分で探して計画を立てる必要がありました。
- 使ったもの:観光サイト「ながさき旅ネット」に入れた、生成AIの旅の計画サービス「AI旅プラン 長崎県」。日程や行きたい場所などを入れると、観光地・飲食店・宿の組み合わせを提案します。
- AIの種類:生成AI
- 成果:実証を始めて半年で、延べ6,900人以上が使い、AIが作ったプランは12,000件以上になりました(実績)。
- 公表ページ:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第4版)」(2025年12月)、ながさき旅ネット「AI旅プラン 長崎県」
ここがポイント:AIを役所の中の仕事だけでなく、観光客へのサービスにも使っています。「探す手間」を減らすことが、地域の魅力を伝える手段になっています。
自治体・教育のAI活用事例
自治体では、生成AIの導入が一気に進みました。総務省の調査では、2025年10月31日時点で、都道府県と政令指定都市はすべて生成AIを導入済みで、その他の市区町村も45.6%が導入していました(総務省「自治体における生成AIの導入状況」、2026年4月公表)。
神戸市:税の電話の定型の質問の5割以上にAIが自動で回答
- 困っていたこと:税務の部署への電話の問い合わせが年間40万〜50万件あり、職員の負担が大きくなっていました。
- 使ったもの:質問の意図を生成AIがくみ取り、登録したよくある質問(FAQ)から答えを選んで声で返す仕組み(ボイスボット)。答えられないときは職員につなぎます。2025年8〜10月に試しました。
- AIの種類:音声
- 成果:住民税についての一般的な問い合わせの50%以上に、自動で答えられました(試験導入での実績)。
- 公表ページ:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第4版)」(2025年12月)、運用会社の発表(2026年5月、本格導入)
ここがポイント:答えは登録したFAQから選ぶため、AIが事実と違う答えを作らない仕組みです。住民への回答に使う場合の、慎重な設計の例です。
千葉県:福祉の相談の記録を生成AIで要約し、作る時間を平均22.1%減らす
- 困っていたこと:福祉の相談の現場は人手が足りず、相談の記録を書く作業が相談員の大きな負担になっていました。
- 使ったもの:県と県内の8市が共同で入れた福祉相談のシステム。相談中の声をその場で文字にし、生成AIで要約します。人名や地名は自動で伏せ、相談員が確かめます。
- AIの種類:生成AI
- 成果:相談支援員50名が2週間に対応した相談193件で、1件あたりの記録を作る時間が平均22.1%減りました(実績)。
- 公表ページ:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第4版)」(2025年12月)、千葉県の取り組みの紹介ページ
ここがポイント:個人情報の多い相談の記録でも、名前などを伏せる手順を入れて生成AIを使っています。県と市が共同で入れたことで、小さな市でも使いやすくなっています。
西粟倉村:住民の意見の整理を生成AIに任せ、半日の作業を1時間に
- 困っていたこと:村の計画づくりのワークショップで住民が書いた付箋を、報告書にまとめるのに半日かかっていました(岡山県の村)。
- 使ったもの:付箋を無料のAI-OCRで文字にし、生成AIに分野ごとの傾向や強み・弱みをまとめさせて、たたき台にしました。職員が確かめてから資料に使います。
- AIの種類:生成AI
- 成果:付箋の意見を報告書にまとめる作業が、半日から1時間程度になりました(実績)。
- 公表ページ:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第4版)」(2025年12月)
ここがポイント:小さな村でも、無料の道具と生成AIを組み合わせて使っています。大きな予算がなくても始められる例です。
新座市教育委員会:通知表の所見の下書きが1か月から1週間に
- 困っていたこと:生徒一人ひとりに合った所見(通知表の文章)の下書きづくりに苦労し、先生が学校にいる時間が長くなっていました(埼玉県)。
- 使ったもの:個人情報が外に出ないよう対策した環境の生成AI。先生が生徒の様子のメモと条件を入れて、所見の素案を作りました(文部科学省の実証)。
- AIの種類:生成AI
- 成果:20名以上の所見づくりが、1か月程度から1週間程度になりました(1人の先生の実証での実績)。
- 公表ページ:文部科学省「生成AIの校務での利活用に関する実証研究」成果報告書(2025年3月)
ここがポイント:AIが作るのはあくまで素案で、先生が生徒を見て仕上げます。1人の先生の事例なので、学校全体でどうなるかは、これからの確認が必要です。
農業・その他の業界のAI活用事例
OCファーム暖々の里:AIの選果機で、同じ時間に2倍以上のかんきつを仕分ける
- 困っていたこと:5haのかんきつ園を経営しており、選果(大きさや見た目で仕分けること)に多くの人手と時間がかかっていました(愛媛県の農業法人)。
- 使ったもの:AI選果機「太助」。果実の大きさ・色・形・傷を画像で見分けて仕分けます。畑ごとの選果のデータもたまります。
- AIの種類:画像認識
- 成果:同じ時間で、以前の2倍以上の量を選果できるようになりました(実績)。
- 公表ページ:農林水産省「農業新技術活用事例(令和5年度調査)」
ここがポイント:人の目で行っていた仕分けを、画像を見分けるAIに任せた例です。たまったデータを畑ごとの手入れに活かせる点も利点です。
香川県グリーン農業コンソーシアム:AIのアプリで、畑ごとの病気のリスクを判定する
- 困っていたこと:ブロッコリーなどの病気の対策で、決まった時期に土の消毒剤を使うことが多く、畑ごとの診断は熟練の指導者がいないと難しい状況でした。
- 使ったもの:AIのアプリ「HeSo+(ヘソプラス)」。土の中の菌の量や土の性質などを入れると、畑ごとの病気のリスクと対策を示します。
- AIの種類:予測
- 成果:2022年度の実証で、薬を使いすぎている畑が全体の13%程度あると分かりました(実績)。
- 公表ページ:農林水産省「令和6年度 食料・農業・農村白書」の事例(2025年5月)
ここがポイント:AIで「使わなくてよい薬」を見つけ、費用と環境への負担を減らす方向の使い方です。
三井不動産:全社員にChatGPTを配り、3か月で社内専用のAIが約500件に
- 困っていたこと:社会やお客さまの求めることが多様になり、仕事の生産性と付加価値の両方を高める必要がありました。
- 使ったもの:2025年10月から全社員(約2,000人)に「ChatGPT Enterprise」を配りました。部門ごとの「AI推進リーダー」が、物件の情報の要約や経理の手伝いなど、仕事に合わせた社内専用のAI(カスタムGPT)を作っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:使い始めて約3か月で、約500件の社内専用のAIが使われています。DX本部では、資料の作成・修正の時間が平均で約30%減りました(実績)。
- 公表ページ:三井不動産の発表(2025年12月)
ここがポイント:各部門に「推進役」を置き、現場の人が自分の仕事に合わせたAIを作っている点が特徴です。道具を配るだけでなく、広げる人を決めています。
豊田市:衛星の画像をAIで解析して水道の漏水を調べ、7か月で管路の6割を調査
- 困っていたこと:一部の地区の水道管の漏水の調査を、人の手で5年かけて行う予定でした(愛知県)。
- 使ったもの:衛星から撮った画像をAIで解析し、漏水の可能性がある区域を絞り込むサービス。AIの結果は、職員が判断するための手がかりとして使います。
- AIの種類:画像認識
- 成果:5年の予定だった調査のうち、約7か月で全管路の60%の調査が終わり、5年分の調査を外部に頼む費用がいらなくなりました(実績)。
- 公表ページ:総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック(第4版)」(2025年12月)
ここがポイント:AIで「どこを調べればよいか」を絞り込み、人の調査を効率よくした例です。インフラの点検にAIを使う取り組みは、各地で広がっています。
業界ごとの使い方を、期待される効果と注意点でまとめると次のとおりです。
| 業界 | この記事の事例での使い方 | 期待される効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 製造・建設・物流 | 伝票の読み取り、ロボットの荷下ろし、検査の撮影、配車 | 人手不足への対応、重い作業や手間の削減 | 現場ごとの条件に合わせた調整が必要 |
| 医療・介護 | 看護記録のまとめ、会議の記録、カルテの確認、カメラでの見守り | 記録の時間を減らし、患者さんや入居者に向き合う時間を増やす | 診断・治療の判断は医師が行う。個人情報や映像の扱いには説明と同意が必要 |
| 金融・保険 | 行内の知識の検索、住宅ローンの審査、社内の質問への回答 | 問い合わせの削減、審査の迅速化 | 判断の根拠の説明と、情報の管理が特に重視される |
| 小売・飲食・観光 | 惣菜の発注、口コミへの返信、アレルギーへの対応、旅の計画の提案 | 食品ロスの削減、接客や事務の負担の軽減 | お客さまの健康や安全にかかわることは人が確かめる |
| 自治体・教育 | 電話の自動応答、相談の記録、意見の整理、通知表の所見の下書き | 職員や先生の事務の削減、住民への対応の向上 | 住民や児童・生徒の個人情報を守る仕組みが前提 |
| 農業・その他 | 選果、病気のリスクの判定、社内専用のAI、水道の漏水の調査 | 省力化、薬や費用の削減 | データの集め方と、現場の判断との組み合わせ方 |
企業規模別のAI導入事例:大企業・中小企業・小さなお店の違い

「大企業の話で、自分の会社には縁がない」と感じた方もいるかもしれません。ここでは、会社の規模ごとに事例を分けて、使い方の違いを見ていきます。
大企業のAI導入事例:全社員で使う
大企業では、全社員が使えるAIの環境を整え、効果を数字で示している例を紹介します。
パナソニック コネクト:社内のAIで年78.8万時間を減らす
- 困っていたこと:仕事の生産性を上げるとともに、社員が会社の知らない外部のAIを勝手に使う危険を減らしたいと考えていました。
- 使ったもの:自社向けのAIアシスタント「ConnectAI」。2023年2月から国内の全社員に広げ、議事録やプログラム、提案書づくりなどに使っています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:2025年度にAIで減らせた時間は78.8万時間で、年間の総労働時間の3.4%にあたります。利用は361万回でした(実績。同社が利用の記録から分析した値)。
- 公表ページ:パナソニック コネクトの発表(2026年7月)
ここがポイント:利用の記録から効果を毎年測り、公表しています。「どのくらい減ったか」を測る仕組みまで作っている点が、全社で広げるときの参考になります。
住友商事:約9,000人でCopilot、月約1万時間の削減(試算)
- 困っていたこと:全社員が生成AIを当たり前に使う状態にしたいと考えていましたが、部署によってITの得意・不得意の差がありました。
- 使ったもの:2024年4月、海外のグループ会社を含む約9,000人が「Microsoft 365 Copilot」を一斉に使い始めました。メールの要約や会議のまとめ、分析などに使い、社内の推進役やセミナーで使い方を広げました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:2024年12月時点で、業務時間の削減効果は月約1万時間、コストの削減効果は年約12億円でした(社員へのアンケートをもとにした試算)。
- 公表ページ:住友商事の記事(2025年11月)
ここがポイント:道具を配るだけでなく、推進役を置いて使い方を広げています。効果はアンケートからの試算なので、測り方にも注目して読みましょう。
三菱UFJ銀行:全行員約3万5,000人にChatGPTを広げる
- 困っていたこと:文書づくり、調べもの、お客さまへの対応など幅広い仕事を速くし、行員が判断や企画、お客さまとの対話に集中できるようにしたいと考えていました。
- 使ったもの:OpenAIと協力の契約を結び、2026年1月以降、全行員約35,000人が「ChatGPT Enterprise」を日常の仕事で使えるよう順に広げると発表しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:発表の時点では広げる計画の段階で、効果の数字は公表されていません。
- 公表ページ:三菱UFJフィナンシャル・グループの発表(2025年11月)
ここがポイント:大手の銀行でも、生成AIを全行員の日常の道具にする段階に入っています。お金を扱う業界では、情報の守り方を決めたうえで広げている点が大切です。
AGC:社内の生成AIの基盤で、2025年度末までに累計58万時間の業務を減らす
- 困っていたこと:製造・販売・開発・管理など、会社の仕事全体の生産性を上げたいと考えていました。
- 使ったもの:社員が使える社内の生成AIの基盤を2023年から作り、活用を広げました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:2025年度末までに累計58万時間の業務を減らしました(実績)。2026年度末に累計100万時間を目標にしています。
- 公表ページ:経済産業省・東京証券取引所・情報処理推進機構「DX銘柄2026」選定企業レポート(2026年6月)
ここがポイント:「累計で何時間」という目標を決めて、全社で進めている例です。大きな会社ほど、目標と測り方を先に決めることが大切になります。
中小企業のAI活用事例
中小企業では、既製の生成AIを使う例に加えて、生成AIの助けを借りて社内の仕組みを自分たちで作る例も出てきています。国や公的機関の資料に載った事例から紹介します。
オプトサイエンス:生成AIの広告で問い合わせが多い月45件に
- 困っていたこと:扱う製品が専門的で、営業担当が英語の論文やマニュアルを読み込む負担が大きく、専門誌に出す広告づくりにも慣れていませんでした(東京都の機械器具の卸売業、従業員33名)。
- 使ったもの:生成AI。論文の要約や英語のマニュアルの翻訳、広告の商品選びやキャッチコピーの案づくりに使い、営業担当が仕上げます。内容の正しさは必ず人が確かめます。
- AIの種類:生成AI
- 成果:広告の反応が平均で2倍以上に増え、広告からの問い合わせは、以前の月平均5件程度から、多い月には45件になりました(実績)。
- 公表ページ:中小企業庁「2026年版 中小企業白書」事例2-2-3(2026年4月)
ここがポイント:人手の少ない会社で、苦手だった広告づくりをAIが手伝った例です。AIの案をもとに、商品をよく知る営業担当が仕上げています。
岡田研磨:生成AIで社内アプリを自作し、月530時間程度減らす
- 困っていたこと:図面などの情報を紙や表計算ソフトで管理していて、書き写しや集計のむだが多く、資料を探すのに1〜2時間かかることもありました(石川県の金属製品の製造業、従業員85名)。
- 使ったもの:生成AI。専務が生成AIと対話を重ねてプログラムを作り、検査の記録・在庫・生産の進み具合・労務管理などをまとめて管理する社内のシステムを自作しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:月5,000〜6,000枚分の紙をなくし、労働時間を月530時間程度減らしました(実績)。同じシステムを外部に頼むと約8,000万円かかるところ、AIの月々の利用料だけで済んでいると説明しています。
- 公表ページ:中小企業庁「2026年版 中小企業白書」事例2-2-14(2026年4月)
ここがポイント:プログラムの専門家がいなくても、生成AIの助けで自社に合った仕組みを作れるようになっています。一方で、作った仕組みを誰が保守するかは、あわせて考えておきたい点です。
アイニコグループ:社員21人のAIプロジェクトで、年2,247時間の業務を減らす
- 困っていたこと:ChatGPTなどのAIの道具は入っていましたが、使い方は個人任せで、会社の仕事全体にどう広げるかが課題でした(奈良県などで不動産や介護の事業を行う会社)。
- 使ったもの:全社員向けの勉強会を開いたあと、全10事業部から21人が1年間のAI活用プロジェクトに参加し、部署ごとの課題をAIの道具で解きました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:全10事業部の合計で、業務時間を年間2,247時間減らしました。そのうち、問い合わせ対応のひな形づくりと自動化で年間897時間を減らしました(実績)。
- 公表ページ:総務省「令和8年版 情報通信白書」(2026年7月)
ここがポイント:全員に広げる前に、各部署から推進役を選んで1年かけて成果を出した進め方です。中小企業でも、少人数の推進役から広げる形は取り入れやすい方法です。
プーラビダ:訪問看護の報告書づくりを1時間から5分に
- 困っていたこと:訪問看護師にとって、報告書づくりがいちばんの負担でした(福岡県の訪問看護の会社、従業員26名)。
- 使ったもの:生成AIを使った社内の仕組みを自社で作り、看護師の報告書づくりをAIが手伝うようにしました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:報告書の作成時間が90%減りました(1時間から5分)。報告書の郵送の手配も2時間から3分になりました(実績)。
- 公表ページ:経済産業省「DXセレクション2026」選定企業レポート(2026年6月)
ここがポイント:現場のいちばんの負担に的を絞ってAIを使った例です。同社のDX全体では離職率も大きく下がったと報告されていますが、それはAIだけの効果ではない点に注意が必要です。
エヌエスケーケー:全社員が生成AIを使い、請求書の処理を月275分減らす
- 困っていたこと:携帯電話の販売代理店として、今の商売を変え、新しい稼ぎ方をつくる必要がありました(兵庫県、従業員61名)。
- 使ったもの:社長の直属のチームが、全社員が生成AIを使える環境を整えました。毎月、全部署に生成AIを使った改善の成果を報告してもらい、社内の勉強会で成功例を共有しています。
- AIの種類:生成AI
- 成果:請求書の処理が月275分、営業の提案書づくりと引き継ぎが月300分減りました(実績)。
- 公表ページ:経済産業省「DXセレクション2026」選定企業レポート(2026年6月)
ここがポイント:「毎月、全部署が成果を報告する」という仕組みで、使う習慣をつくっています。小さな改善を積み重ねる進め方は、どの会社でも真似しやすい方法です。
川六:60代の社員やパートを含む全員でAIを作り、ベテランの知恵を共有する
- 困っていたこと:ベテランの経験に頼る仕事の負担が大きくなっていました(香川県のホテル、従業員68名)。
- 使ったもの:社内の資料をもとにAIが答える仕組み(RAG)。毎週全店舗で使い方を話し合い、60代の社員やパートを含む全従業員が自分たちで作って、ベテランの経験を文章にして共有しました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:AIだけの効果を表す数字は公表されていません。DX全体の成果として、1人あたりの月平均の残業時間が6時間49分から3時間54分に減ったと報告されています(2023年と2025年の比較)。
- 公表ページ:経済産業省「DXセレクション2026」選定企業レポート(2026年6月)
ここがポイント:ITに詳しい人だけでなく、全員が作り手になった点が特徴です。年齢や立場に関係なく使える形にすると、ベテランの知恵を残しやすくなります。
クリーンシステム:生成AIを使って、請求書を一括で送る仕組みを約1か月で自作する
- 困っていたこと:請求書の発送に、毎年決まった費用がかかっていました(山形県、従業員109名)。
- 使ったもの:生成AI。生成AIを使いこなして、請求書を一括で送る仕組みを約1か月で自社で作りました。社内向けの生成AIを「ITの先生」のように使い、社員が自分で学べるようにもしました。
- AIの種類:生成AI
- 成果:請求書の発送にかかっていた費用を、年約108万円減らしました(実績)。
- 公表ページ:経済産業省「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025」(2025年3月)
ここがポイント:外部に頼まず、生成AIを先生役にして自社で仕組みを作った例です。小さな仕組みでも、毎年かかる費用を減らせば効果は積み上がります。
トーシンパートナーズHD:AIで空室の期間を11日短く
- 困っていたこと:賃貸マンションの空き部屋を早く埋めたいものの、家賃などの募集条件を決めるのが難しい状況でした(東京都、従業員49名)。
- 使ったもの:過去の賃貸契約のデータで作ったAI。最適な募集条件を提案させました。
- AIの種類:予測
- 成果:物件の平均の空室期間が11日短くなり、空室による損失を年約4,700万円減らしました(実績)。
- 公表ページ:経済産業省「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き2025」(2025年3月)
ここがポイント:自社にたまっていた過去のデータを使って「予測するAI」を作った例です。中小企業でも、データがあれば生成AI以外のAIを活かせます。
ニッシン・パーテクチュアル:20人の会社で事務時間が5分の1に
- 困っていたこと:新しい事業に使える時間が足りませんでした(埼玉県の金型の会社、従業者20人)。
- 使ったもの:文章や画像を作る生成AIなど11の道具を入れ、従業員なら誰でも使えるようにしました。ホームページの記事や販促資料、展示会のデザインなどに使います。個人情報などは入力しないようにし、最後は人が確かめます。
- AIの種類:生成AI
- 成果:事務作業にかかる時間が5分の1になり、新しい事業に取り組む時間ができました。従業員の6割がAIを日常的に使っています(実績)。
- 公表ページ:日本政策金融公庫総合研究所「調査月報」2026年6月号
ここがポイント:20人ほどの会社でも、使う道具を決めてルールを作り、全員が使える状態にしています。空いた時間を新しい事業に回した点が、小さな会社ならではの使い方です。
筆者の相談から:小さな会社・お店のAI活用
筆者は2022年から、小さな会社やお店の経営の個別相談を担当しています。記録が残っている39事業者のうち、12事業者の相談でAIの使い方が話題になりました。多かったのは、次の3つです(1つの事業者で複数に当てはまるものがあります。分け方は筆者によるものです)。
- 文章の下書き(SNSの投稿、予約サイトの紹介文、ブログ記事など):5事業者
- 画像づくり(チラシ、店頭のPOP、スタンプなど):5事業者
- 資料・議事録・報告書づくり:4事業者
ここでは、その中から5つの例を、業種と使い方だけで紹介します。どれも相談の場で一緒に試したり、紹介したりした内容です。その後も使い続けているかまでは書いていません。
開業準備中の花屋:価格表と注文時の聞き取り項目を、Geminiで下書き
- 困っていたこと:開店に向けて、価格表や注文の流れ、チラシなど、作る資料がたくさんありました。
- 使ったもの:Googleの生成AI「Gemini」と、デザインツールの「Canva」
- AIの種類:生成AI
- 相談でしたこと:Geminiを使い始めるところから一緒に行いました。声で話しかけて価格表と聞き取り項目のたたき台を作る方法と、画像を作る機能でデザインの手がかりを得て、Canvaで清書する流れを確かめました(2026年1月の相談)。
ここがポイント:AIに完成品を作らせるのではなく、「たたき台はAI、仕上げは人」と分けると、デザインの経験がなくても始めやすくなります。
美容の教室:ホームページと「お客さまの声」を読み込ませて、説明用のスライドを作る
- 困っていたこと:生徒やお客さまが増える中で、カリキュラムの説明資料や打ち合わせの記録など、事務作業の時間を減らしたいと考えていました。
- 使ったもの:Googleの「NotebookLM」(読み込ませた資料をもとに、答えや資料を作るAIのサービス)
- AIの種類:生成AI
- 相談でしたこと:自社のホームページとお客さまの声を読み込ませて、カリキュラム説明用のスライドを作る方法と、スマートフォンで録音した打ち合わせを要約する方法を確かめました。AIが作ったスライドを、Googleスライドに取り込んで手直しする手順も伝えました(2026年2月の相談)。
ここがポイント:自社の資料をもとに答えるAIを使うと、自社の言葉づかいに沿った資料を作りやすくなります。入力した内容がどう扱われるかは、サービスを選ぶときに必ず確かめたい点です。
林業の会社:報告書づくりのために、自分専用のチャットボットを作る
- 困っていたこと:報告書の作成に時間がかかっていました。
- 使ったもの:ChatGPTの「GPTs」(決まった指示や資料をあらかじめ覚えさせた、自分専用のChatGPTを作る機能)
- AIの種類:生成AI
- 相談でしたこと:報告書づくり専用のチャットボットを作る方法を紹介しました。すでにCanvaを使っていたため、画像を作るAIとの使い分けもあわせて伝えました(2025年2月の相談)。
ここがポイント:毎回同じ説明をAIに書くのではなく、決まった書き方を覚えさせておくと、同じ種類の書類をくり返し作る仕事で手間が減ります。
飲食店:Instagramの投稿案づくりにGeminiを使う
- 困っていたこと:本業の飲食店に加えて民泊の開業準備を進める中で、Instagramでの発信を続ける必要がありました。
- 使ったもの:Gemini
- AIの種類:生成AI
- 相談でしたこと:相談者はすでに、Instagramの投稿案づくりや、パソコン操作で困ったときの調べものにGeminiを使っていました。いくつか案を出させて、その中からよいものを選ぶ今の使い方を続けるよう伝えました(2026年2月の相談)。
ここがポイント:AIの答えを1つで決めず、複数の案を出させて人が選ぶと、発信の質を保ちやすくなります。
測量の会社:打ち合わせの録音と文字起こしの道具を見直す
- 困っていたこと:スマートフォンの無料アプリで打ち合わせを録音し、文字起こしをしていましたが、サービスの変更で無料では使えなくなりました。
- 使ったもの:録音と文字起こしを自動で行う機器・サービス
- AIの種類:音声
- 相談でしたこと:録音と文字起こしの道具は毎月料金を払う形のものが多いため、一度買えば使える形の機器を紹介しました(2025年5月の相談)。
ここがポイント:AIのサービスは、料金や無料で使える範囲が途中で変わることがあります。仕事に組み込むときは、変わったときの代わりも考えておくと安心です。
規模で変わる使い方の違い
この記事の事例と、筆者の相談の経験から、規模ごとの違いをまとめると次のようになります。
| 規模 | よくある使い方 | 費用の考え方 | 進め方 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 大企業 | 全社員向けのAIアシスタント、社内の生成AIの基盤 | 全社の利用料や基盤づくりに投資し、減った時間で効果を測る | 推進役や勉強会で使い方を広げ、利用の記録で効果を測る | 情報の守り方と、社員ごとの使い方の差 |
| 中小企業 | 既製の生成AIで文章・資料・広告づくり、生成AIを使った社内の仕組みの自作 | 月々の利用料から始められる。外部に頼むより安く作れた例もある | 小さく試し、推進役や毎月の報告で広げる | 作った仕組みを誰が直すか、社内のルールづくり |
| 小さなお店・個人 | SNSの投稿や紹介文、価格表、チラシの下書き | 無料版や月々の利用料の範囲で始められる | 1つの作業から試し、仕上げは人が行う | 入力する情報の扱い、料金やサービス内容の変更 |
AI活用事例から分かる共通点と、自社で始めるときの判断基準

ここまでの事例を読んで、「では、自分の会社では何から始めればよいのか」と感じた方も多いと思います。最後に、事例を数えて分かったことと、始めるときの判断基準をまとめます。
仕事の64件のAI活用事例を、AIの種類と成果で数えると
身近な例を除く、仕事での64件の事例を筆者が数えました(分け方は筆者によるものです)。
| 数えた観点 | 内訳 | 読み取れること |
|---|---|---|
| AIの種類 | 生成AI 44件、画像認識 7件、言葉を扱うAI 7件、予測 4件、音声 1件、最適化 1件 | 仕事の事例の約7割が生成AI。一方で、検査・予測・配車など生成AI以外の事例も約3割ある |
| 主な成果 | 作業の時間・手間が減った 43件、問い合わせが減った 5件、品質・安全・正確さが上がった 5件、売上げ・集客が増えた 4件、費用・損失が減った 3件、数字の公表なし 4件 | 成果のほとんどは「時間や手間が減った」。売上げに直接つながった例は少ない |
| 数字の種類 | 実際に測った数字 53件(一部に担当者の実感を含む)、見込み 4件、試算 2件、体感 1件、数字なし 4件 | 実績が多いが、見込みや試算も混ざる。実証(試し)の段階の数字も8件ある |
| 公表した人 | AIのサービスを提供する会社の発表 31件、国や自治体の資料 22件、使った会社自身の発表 11件 | 約半分はAIを提供する側の発表。よい面が強調されやすい点に注意したい |
「時間や手間が減った」が多いのは、情報処理推進機構の「DX動向2026」(2026年7月公表)が、AIの成果は業務の効率化など社内向けのものが中心だと分析しているのとも合っています。
うまくいった事例に共通する3つの条件
事例を比べると、成果が出ている取り組みには共通点がありました。
条件①:最初は1つの作業に目的を絞っている
通話の要約(ミサワホーム、KINTO)、請求書の読み取り(ADKホールディングス)、看護記録のまとめ(織田病院)のように、うまくいった事例の多くは「どの作業の、何を減らすか」がはっきりしています。目的が1つだと、効果も測りやすくなります。
条件②:AIの出力を人が確かめる手順を組み込んでいる
面接の評価(三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ)やアレルギーへの対応(ホテル長崎)、福祉の相談の記録(千葉県)では、AIが下書きや候補を出し、人が確かめて決めています。ファンケルや神戸市のように、答えを登録済みの内容から選ぶ形にして、誤りを防いでいる例もあります。
条件③:使い方を広げる人と仕組みがある
住友商事や三井不動産は推進役を置き、エヌエスケーケーは毎月全部署に成果を報告してもらい、ライフネット生命は勉強会を開いています。パナソニック コネクトのように、利用の記録から効果を測り続けている会社もあります。道具を入れるだけでなく、「誰が広げ、どう測るか」まで決めている点が共通しています。
AI活用のよくある誤解と注意点
誤解①「AIに任せれば、全部自動になる」
この記事の事例の多くは、AIが下書きや候補を出し、人が確かめて仕上げる形です。人の手がいらなくなったのは、ロボットが荷下ろしを担う松田電機工業所のように、作業がはっきり決まっている一部の例です。AIの自動配車を使う諏訪梱包運輸でも、8〜9割の日は手直しがいらない一方で、残りの日は人が直しています。七十七銀行の審査のように、AIが判断しやすい案件だけを自動にし、それ以外は人が見る分担もよく使われます。「AIに任せる部分」と「人が確かめる部分」を分けて考えるのが現実的です。
誤解②「AIは大企業やIT企業のもの」
中小企業や個人でも、既製の生成AIなら月々の費用を抑えて始められます。帝国データバンクの調査(2026年5月公表)では、生成AIを業務で活用している割合は大企業46.5%に対して中小企業32.4%と差はありますが、従業員5人以下の企業でも29.6%が活用していました。この記事の中小企業の事例や、筆者の相談の例のように、少人数の会社ほど「手が回らない仕事」を補う使い方が向いています。
誤解③「事例と同じ成果が、自社でもそのまま出る」
公表された成果の数字は、その会社の人数、仕事の量、測り方の条件での結果です。この記事の仕事の事例64件でも、見込みが4件、アンケートからの試算が2件、体感が1件あり、実証(試し)の段階の数字が8件ありました。また、31件はAIのサービスを提供する側の発表です。
情報処理推進機構の「DX動向2026」(2026年7月公表)では、AIを導入した企業のうち「期待以上の効果があった」と「期待どおりの効果であった」は合わせて31.8%で、いちばん多かったのは「一定の効果はあった」(50.6%)でした。事例の数字は「このくらいの効果が出た例もある」という目安として読み、自社で小さく試して確かめることが大切です。
注意点:情報の正確さ・個人情報・著作権
AIを使うときに、特に気をつけたい点は次の3つです。
- 情報の正確さ:生成AIは、もっともらしいけれど事実と違う内容を出すことがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。数字・日付・固有名詞・法律などは、必ず元の資料で確かめてください。
- 個人情報・会社の秘密:サービスによっては、入力した内容がAIの学習に使われる設定になっていることがあります。お客さまの情報や社外秘の資料を入れる前に、サービスの設定と利用規約を確かめ、社内で「入れてよい情報・いけない情報」を決めておきましょう。
- 著作権などの権利:AIが作った文章や画像が、他人の作品に似てしまうことがあります。広告や商品など外に出すものに使う場合は、似たものがないかを確かめ、利用規約で商用利用が認められているかも確認してください。
東京商工リサーチの調査(2026年4月公表)では、生成AIを「会社として活用を推進」している企業は20.3%でした。いちばん多かった答えは「方針は決めていない」(37.5%)で、「個人で活用していることもある」も27.1%ありました。社員が個人の判断で使い始めている会社ほど、簡単なルールを先に決めておくことが大切です。
なお、医療・お金・法律など、人生に大きく影響する判断にAIの答えをそのまま使うのは避けてください。この記事の情報は一般的なものです。個別の事情によって結論は変わるため、必要に応じて医師・税理士・弁護士などの専門家に確認してください。
自社でAI活用を始める5つの手順とチェックリスト
事例に共通する進め方を、小さな会社でもできる形にまとめると、次の5つの手順になります。
- 時間がかかっている仕事を書き出す:毎週・毎月くり返している作業と、そのためにかかっている時間を書き出します。
- 小さく試せる仕事を1つ選ぶ:文章の下書き、要約、議事録など、失敗しても影響が小さい仕事から選びます。
- 既製のサービスで試す:いきなり専用の仕組みを作らず、まずは既製のAIサービスで1〜2週間試します。
- 人の確認とルールを決める:AIの出力を誰が確認するか、入れてはいけない情報は何かを決めます。
- かかった時間を比べてから広げる:試す前と後の作業時間を比べ、効果があれば対象の仕事を少しずつ広げます。
始める前に、次の10項目を確認しておくと失敗を避けやすくなります。
- AIに任せたい仕事が、くり返しの作業や下書きなど「補助に向く仕事」になっている
- その仕事に、今どのくらい時間がかかっているかを把握している
- 試す期間と、うまくいったと判断する基準(時間・件数など)を決めた
- まずは無料版や少人数で試せる
- 入力してはいけない情報(個人情報・社外秘)を決めた
- 使うサービスの利用規約と、入力した内容の扱いを確認した
- AIの出力を誰が確認するかを決めた
- うまくいかなかったときに、元のやり方に戻せる
- 使い方のコツを、社内で共有する方法を決めた
- 効果が出たら、次に広げる仕事の候補がある
AI活用事例に関するよくある質問(FAQ)
AIの活用事例で、いちばん身近なものは何ですか?
スマートフォンの顔認証、写真の編集、エアコンや洗濯機の自動運転、地図や天気予報、ネット通販のおすすめ表示などが代表的です。多くの人は、意識しないうちに毎日AIを使っています。この記事の「身近なAI活用事例」の節で、提供している会社がAIを使っていると公式に説明している12件を紹介しています。
中小企業や個人でも、AIは活用できますか?
活用できます。中小企業基盤整備機構の調査(2026年3月)では、AIを導入している中小企業は20.4%で、そのうち82.6%が生成AIを使っていました。既製の生成AIなら、専用の仕組みを作らなくても、文章の下書き・要約・資料づくりなどから始められます。この記事の「中小企業のAI活用事例」と「筆者の相談から」の節で、少人数の会社やお店の例を紹介しています。
AIを使うのにお金はかかりますか?
用途によって変わります。多くの生成AIサービスには無料で使える範囲があり、試すだけなら費用をかけずに始められます。たくさん使う場合や、会社として管理したい場合は、有料のプランがあります。料金はサービスやプランによって違い、途中で変わることもあるため、申し込む前に公式サイトで確かめてください。自社専用のAIの仕組みを作る場合は、サービスの利用料とは別に開発の費用がかかります。
どの業界がいちばんAIの活用が進んでいますか?
一概には言えませんが、生成AIについては、帝国データバンクの調査(2026年5月公表)で、業務で活用している企業の割合が高かったのは「サービス」(47.8%)、「金融」(38.6%)、「不動産」(34.9%)でした。反対に「建設」(26.4%)や「運輸・倉庫」(27.5%)は低めでした。ただし、建設や物流でも、現場の点検や配送計画にAIを使う例は増えています。業界全体の数字より、自分の仕事に近い事例を探すほうが参考になります。
生成AIとこれまでのAIは、何が違いますか?
生成AIは、指示に合わせて文章や画像などを新しく作るAIです。これまでのAIは、決まった仕事(見分ける・予測するなど)のために学ばせたAIで、答えの形が決まっています。生成AIは幅広い仕事に使えますが、誤りを含むことがあるため、人の確認が欠かせません。この記事の事例では、「AIの種類」の欄でどちらかが分かるようにしています。
AIに仕事を奪われてしまいませんか?
この記事で紹介した事例の多くは、AIが下書きや候補を出し、人が確かめて仕上げる使い方です。仕事の一部をAIが受け持つことで、人は確認や判断、お客さまとのやりとりに時間を使えるようになっています。一方で、求められる仕事の中身が変わっていくことは考えられます。AIで何ができて、何が苦手かを知っておくことが、変化に備えるいちばんの近道です。
最新のAI活用事例は、どこで調べればよいですか?
会社・団体のプレスリリース、官公庁の白書や事例集、業界団体のデータベースが参考になります。たとえば、生成AI活用普及協会(GUGA)の「生成AI活用事例データベース」には、2026年6月30日時点で1,745件の事例が載っています(同協会の2026年7月の発表による)。事例を見るときは、発表の時期と、成果の数字が実績か見込みかを確かめましょう。
まとめ:AI活用事例は「身近な例」から「自分の仕事」へたどると使い方が見える
要点
- AI活用事例とは、AIを生活や仕事の中で使っている具体例のことです。スマートフォンの顔認証から、書類づくり・問い合わせ対応・検査・予測まで、すでに幅広く使われています
- 2026年の調査では、生成AIを使ったことがある人は58.8%で、都道府県と政令指定都市はすべて生成AIを導入済みでした。一方、中小企業ではまだ使っていない会社のほうが多い状況です
- 仕事の事例64件の約7割は生成AIで、成果の多くは「作業の時間や手間が減った」でした
- うまくいった事例は、目的を1つの作業に絞り、人の確認を組み込み、使い方を広げる仕組みを持っていました
- 成果の数字には、見込みや試算、サービスを提供する側の発表も含まれます。条件を確かめて読むことが大切です
読者タイプ別の次の一歩
- 会社員・事務や営業の担当者:自分の仕事に近い事例を1つ選び、会議の要約や文章の下書きなど、1つの作業で試してみましょう。その前に、会社のルール(入力してよい情報)を確認してください
- 経営者・DXの担当者:時間がかかっている仕事を書き出し、同じ規模や業界の事例と比べて、試す仕事を1つ決めましょう。推進役と、効果の測り方も一緒に決めておくと広げやすくなります
- 学生・個人:身近なサービスの中のAIに目を向け、無料の生成AIで文章の下書きや調べものを試してみましょう。答えは、必ず元の情報で確かめる習慣をつけてください
さらに理解を深めるために確認したい観点
- 自分が使うAIサービスで、入力した内容がどう扱われるか(学習に使われるか、保存されるか)
- 自分の業界・仕事に近い事例で、成果の数字がどんな条件で測られたか
- 試しに使って、うまくいかなかった点と、その理由



